アッカ・ネットワークスは11月8日,モバイルWiMAX(IEEE802.16e)と無線LAN(IEEE802.11a/b/g)をシームレスに切り替える実証実験を開始したと発表した。11月中には検証を完了する予定だ。

 同社は今年6月から横須賀リサーチパークにおいてモバイルWiMAXの実証実験を展開。モバイルWiMAXの電波特性などを確認してきた。今回は,モバイルWiMAXと無線LANの両方に対応した端末を用意。屋内に設置した無線LAN基地局と屋外に設置したモバイルWiMAX基地局間で接続先を切り替えながら,途切れずに通信を継続できることを確認する。

 実験開始に至った経緯について,アッカは「実際にユーザーが利用する場合は,自宅ではADSLや光回線に接続した無線LANを使い,屋外ではモバイルWiMAXを使うことになる。その間がシームレスにつながることが必須になると考えたため,実験で確認することにした」と説明する。

 今回の実験では,システムとして日立製作所が開発したソリューションを採用した。採用の理由は,「携帯電話と無線LAN間でのシームレス・ハンドオーバーの実験に成功済みという実績があるから」(アッカ)としている。

 モバイルWiMAXについては,総務省が2.5GHz帯を割り当てる方向で検討を進めている。アッカは,今回の実験を通じてモバイルWiMAXへの取り組みをアピールし,割り当て争いで有利な立場に立とうという考えもあるようだ。