NECは11月6日,新しいシン・クライアント・ソリューションを発表した。従来は苦手とされていたIP電話や動画処理に対応できるように,端末の機能を強化した。同ソリューションは手のひらサイズのデスクトップ型端末「US100」,B5サイズのノート型端末「US50」,最大20台の端末を接続できる「Express5800/VPCC 仮想PCサーバ」,端末や仮想PCサーバを管理するための「Express5800/VPCC管理サーバ」からなる。

 US100は幅15.5cm×奥行き10.4cm×3.4cmと小型。ディスプレイとキーボード,マウスを接続して使用する。VoIPと動画処理のためのチップを搭載し,パソコン並みの使用感を得られるうえ,高い音声品質での通話が可能だという。US50は重さ約1kgの端末。カスタマイズが必要だが,無線LANや携帯電話カードを使ってネットワークに接続することが可能。この際,USBキーによる認証やインターネットVPN(仮想閉域網)の機能を組み合わせることもできる。

 仮想PCサーバはシン・クライアント端末を稼働させるミドルウエアとクライアントOSがプリインストールされている製品。このため,設置後すぐに,シンクライアント・システムを利用できるようになる。管理サーバは,複数の仮想PCサーバを統括管理し,新しいアプリケーションやセキュリティ・パッチの適用,アクセス履歴の記録,どこからでも端末が適切な仮想PCサーバにアクセスできる機能などを提供する。

 価格は,US100が5万2000円,US50が22万円から,仮想サーバが191万6000円から,管理サーバーが39万1000円から(いずれも税別)。NECによれば「従来のシン・クライアント・ソリューションと比べてコストを最大40%削減できる」という。出荷はどの製品も12月15日。