ジェミナイ・モバイル・テクノロジーズは11月6日,携帯電話でユーザー同士のコミュケーション・サービスを実現するプラットフォーム「eXplo」を発表した。このプラットフォームは,ソフトバンクモバイルが同社のサービス「S!タウン」に採用している。今回の発表では,ソフトバンクモバイル以外の携帯電話事業者にも同様の仕組みを販売することを明らかにした。

 新製品で実現できるサービスは,ネットワーク上の仮想的な街でユーザーの分身となるキャラクターを動かして,ユーザー同士でコミュニケーションしたりコンテンツを購入したりできるようにするもの。ユーザー同士のコミュニケーションでは,ブログやチャット,写真の共有といったインターネット上のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とほぼ同様の仕組みをユーザーに提供できる。「どのようなサービスを実現するかは携帯電話事業者の考え次第だが,同じ携帯電話ユーザー同士のコミュニティを形成すれば,携帯電話事業者は解約率の低下を期待できる」(日本法人代表取締役のマイケル・ツォー氏)。

 またeXploでは,仮想的な街中に広告を埋め込んだり,着うたや壁紙などを販売する商店を設置することもできる。「携帯電話事業者は広告による新たな収益源を得られるうえ,コンテンツ販売チャネルを拡大できる。これはコンテンツ事業者にとってもメリットがある」(ツォー氏)と説明する。

 新製品は,サーバー用のソフトウエアと端末用のソフトウエアからなる。サーバー用のソフトウエアはすべてジェミナイが提供するが,端末用のソフトウエアは携帯電話事業者やコンテンツ事業者と共同開発する。「携帯電話事業者の狙う市場により,デザインやサービス内容は変化する」(ツォー氏)からだ。例えばソフトバンクモバイルのS!タウンでは,キャラクターや街並みのデザイン,街の中で起こるイベントのストーリー設計などはバンダイネットワークスが担当したという。

 今後の販売目標は,「2007年は欧米の携帯電話事業者2社に導入予定。日本市場でもNTTドコモやKDDIへ売り込む」(ツォー氏)としている。