Loocのトップページ。毎週木曜日に、渋谷のライブハウス「7th FLOOR」でのライブの様子がリアルタイムに配信される
Loocのトップページ。毎週木曜日に、渋谷のライブハウス「7th FLOOR」でのライブの様子がリアルタイムに配信される
[画像のクリックで拡大表示]

 ウタゴエは2006年11月6日、同社が提供中のコミュニティサイト「Looc」に、大規模なライブ配信を可能にする技術を導入したと発表した。特別なネットワーク機器を用意しなくても、1台のパソコンから1万人のユーザーにほぼ同時に映像を配信できる。この技術の導入に合わせて、ライブハウスからのライブ映像の配信サービスを開始する。

 このライブ配信技術の名称は「Ocean Grid」。同社が独自開発したもので、ピア・ツー・ピア技術を用いてコンテンツの同時配信を実現する。ユーザーのパソコンからパソコンへと映像コンテンツを受け渡していくことで、大規模なサーバーを構築しなくても、多数のユーザーにコンテンツを届けられるのが特徴だ(技術資料)。これまでもこの技術を利用してLooc上で映像配信サービスを提供していたが、配信可能な人数は700人程度だった。今回は技術改良の結果、1万人への配信が可能になった。

 Loocは、2006年8月に提供を開始したコミュニティサイト。友達を登録したり日記を公開したりと一見SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に似ているが、目指すのは「人生を共有できるメディア」(山田洋輔マーケティングマネージャー)。その核となっているのがOcean Gridで、「今のインターネットには不足している、同時に同じものを共有する喜びをもたらしたい」(首藤一幸最高技術責任者)という。ゆくゆくは、ユーザーが自由にライブ映像を配信できる仕組みも用意する予定だ。

 ウタゴエはOcean Grid以外にも、メロディを口ずさむことで曲名を検索できる「うたごえ検索」や、自然言語処理技術を用いた類似検索技術「シモーヌ」などの独自技術を複数開発している。例えばうたごえ検索は、大手携帯電話事業者の採用実績がある。今後こうした技術群をLoocのサービスに取り込み、音楽やテキストなどさまざまな情報を共有できるメディアを目指していくという。