「Red Hatは通信事業者向けにも多くの実績がある」---Red Hatのテレコム向けマーケティングディレクタのTom Wunderlich氏はこう強調する。Linux普及推進団体OSDL(Open Source Development Labs)は通信事業者向けLinux仕様CGL(Carrior Grade Linux)を定めており,MontaVista,SUSE,Debian,Wind River,Asianux,Timesys,FSMLabs,NexusWareなどが登録している。これに対しRed HatはScope Allianceという団体の通信事業者向けLinux仕様をサポートするという。
---通信事業者向けの実績は。
Red Hatは2年前に通信事業者向けに具体的な活動を始めた。10社近くのおもな通信事業者に採用されており,日本企業もある。用途はIMS(IP Multimedia Subsystem)やIPTV,OSS(Operation Support System,運用支援システム),課金システムなどだ。
この分野のOSはUNIXが支配的だ。我々のチャレンジは緒についたばかりだ。
---OSDLのCGLに登録しないのはなぜか。
OSDLのCGLへの登録は,機能の有無をYes,Noで答えるだけだ。もっと顧客を向き,詳しく説明する必要がある。Red HatはScope Allianceの通信事業者向けLinux仕様をサポートする。Scope AllianceはAlcatel,Ericsson,Motorola,NEC,Nokia,Siemensといったネットワーク機器メーカーが2006年1月に設立した団体で,2006年6月に通信事業者向け仕様Linux PROFILE v1.0を公開した。
---OSDLのCGLとScopeのLinux PROFILEはどう違うのか。
ScopeのLinux PROFILEは機能について,必須なのか,それともあれば望ましいという程度なのかという必要度のレベルを記述している。ScopeのPROFILEにはOSDL CGLの仕様のサブセットも含まれている。
CGLは機能を定めているだけだ。OSの選択にあたってはサポートやサービス,提供できるトレーニングなども考慮すべきだ。
---ScopeをサポートするLinuxベンダーは他にあるのか。
他のディストリビューション・ベンダーがどうしているのかは把握していない。Red HatはSCOPEの正式なメンバーではなく,設立を手伝ったわけではない。しかし仕様の拡張などに関してSCOPEと強力している。
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