情報処理推進機構(IPA)は10月31日、「ITスキル標準V2」の改訂版にあたる「ITスキル標準V2 2006」を、ITスキル標準センターのWebサイトで公開した。特徴は、運用にまつわるリスク管理を新たに盛り込むなど、運用職種の名称や定義を見直したこと。システム運用に関するベスト・プラクティス集であるITILを参考にしている。

 具体的には、運用職種の名称を、従来の「オペレーション職種」から、ITILにならって「ITサービスマネジメント職種」へと変更した。定義のなかに、顧客と合意したSLA(サービス・レベル・アグリーメント)に基づいて、運用リスクを管理する側面からシステム全体の安定稼働に責任を持つことなどを明記した。

 同時に、従来は三つに分かれていた運用職種の専門分野を、サービス・マネジメントの観点から四つに再構成している。

 第1は、ITサービスマネジメント全般にかかわるリスク予防施策やサービスレベル管理などを実施する「運用管理」。第2は、サーバーやネットワークなどIT基盤の設計、構築、維持管理を含む「システム管理」。第3が、従来のシステム運用監視業務にあたる「オペレーション」。第4が、ユーザーからの問い合わせなどに対する窓口機能を担う「サービスデスク」である。

 従来の専門分野は、コンピュータ・システムの運用を実施する「システムオペレーション」、ネットワーク・システムの運用を手掛ける「ネットワークオペレーション」、ユーザーからの問い合わせなどに対する窓口機能を担う「サービスデスク」に3種類だった。

 IPAは今年4月にITスキル標準V2を発表した際、ITスキル標準の見直しを毎年定期的に行う方針を決定している。今回の同2006は、初めての定期改訂版となる。