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 富士通は11月1日、運用管理のソフトウエア群「Systemwalker」に、3種類を新たに追加し、8種類のツールを機能強化した。「今年5月の発表時点では、インシデント管理だけだった。新規追加と機能強化により、変更から管理まですべてのプロセスをITILに準拠させた」(ソフトウェア事業本部の新田将人運用管理ソフトウェア事業部長、写真)。

 追加したソフトは、ITILに基づいた運用プロセスをワークフローとして可視化する「System IT Process Master V13.1」、各ジョブごとに稼働予定と実績を比較して、ジョブが計画通り稼働しているかを監視する「同 Availability View V13.1」、インベントリ管理ツールの「同 Desktop Patrol Assessor V13」である。

 IT Process Master V13.1は、システムの変更履歴を管理でき、運用プロセスを可視化する。開発担当者と運用担当者の役割を明確に区別することで、システムの属人化を防ぐ。責任の所在や作業手順が明確化するので、「システム・ダウンの原因のうちで、ハードウエアやミドルウエアの不具合は2割。一方、オペレーション・ミスによるダウンは、4割にも上るといった調査結果もある。IT Process Masterなどを使えば、オペレーション・ミスによるシステム・ダウンを減らすことができる」(同)という。また帳票やワークフローについてのテンプレートも提供する。テンプレートはITILの導入が進んでいる英国の子会社と社内の情報を基に作成した。

 機能強化したソフトの目玉は、「同 Centric Manager V13.1」になる。管理者権限で実行可能コマンドに制限を加えたり、システムを変更したコマンド履歴を記録したりすることができる。他社の運用管理製品から機器の構成情報などを引き出して連携することも可能だ。
 
 富士通は、2年間で200万ライセンスの販売を目指す。2007年第1四半期には、インテルの提供するvProの機能もサポートする予定だ。