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Fedora Projectは2006年10月24日(米国時間),最新ディストリビューション「Fedora Core 6 (通称Zod)」を公開した(写真1)。当初予定していた10月11日より大幅に遅れてのリリースとなった(関連記事「Fedora Core 6の正式公開は10月17日に延期へ」)。
Fedora Core 6ではカーネルにバージョン2.6.18,glibcにバージョン2.5,gccにバージョン4.1.1が採用されている(写真2)。
また,デスクトップ環境として,X.Org X11 R7.1.2が採用されており,統合デスクトップ環境には,GNOME 2.16.0(写真3)またはKDE 3.5.4(写真4)が利用できる。
そのほか,フォト・アルバムの「F-Spot Photo Manager 0.2.1」(写真5)やネットワーク監視ツールの「Wireshark Network Analyser 0.99.3a」(写真6)などが新たに搭載されている(主なアプリケーションやサーバーのバージョンについては最新Linuxディストリビューション「Fedora Core 6」を参照)。
Fedora Core 6ではグラフィック・カードのアクセラレーション機能を利用してX Window Systemを利用できるAIGLXに対応した。これによりデスクトップを回転させたり(写真7),ウインドウを半透明にする(写真8)などの効果を得られる。また,X Window Systemの描画速度も上昇する。
AIGLXを利用するには,使用するパソコンに,AGILXに対応したグラフィック・カードが搭載されている必要がある。米Intelによるグラフィック機能を搭載している場合は,Fedora CoreをインストールしただけでAIGLXを利用できるようになる。また,NVIDIA製やATI製の場合は,Fedora Core 6に対応したグラフィック・ドライバをインストールする必要がある。
また,仮想環境を実現するXenをグラフィカルに管理できる「Virtual Machine Manager」(写真9)が搭載された。これにより,グラフィカルなツール上で仮想環境を追加したり,実行,停止などを行えるようになった。Fedora Core 6でのXenについては,関連記事「画面で見る最新Linux『Fedora Core 6 test3』」を参照されたい。
Fedora Coreには,セキュアOSの「SELinux」が搭載されている。しかし,SELinuxによるアクセス制限が原因で,特定のサービスが利用できない場合がある。今まではLinuxシステムのログを閲覧し,どのアクセス制限が原因かを確認してSELinux関連の設定をし直す必要があった。
Fedora Core 6では新たに,SELinux関連のトラブルおよびその原因を自動表示するツール「SELinux Troubleshooter」が搭載された(写真10)。これにより,何が障害になっているかを容易に把握できるようになった。
なお,Fedora Core 6のインストールDVDは,2006年11月8日(水)発売の日経Linux2006年12月号に収録されている。