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 携帯電話向けソフトウエアなどを提供する日本オープンウェーブシステムズは2006年9月26日、Webメールの管理・閲覧システム「Openwave Networked Intelligent Information Organizer(NIIO;ネオ)」を発表した。同社は従来より、インターネット接続サービス「DION」などに向けて、Webメールのシステム「Rich Mail」を提供している。「NIIO」はこのRich Mailの改良版ともいえる。開発の意図や製品の特徴などを、同社営業本部ソリューション開発部の福島雄一部長に聞いた。

■NIIOを開発した目的は?

 Rich Mailは、「Webメールをより使いやすく」という考えに基づいた製品。メールをフォルダーにドラッグ・アンド・ドロップで移動できる、マウス操作で各欄の大きさを変えられるなど、「Outlook Express」のようなメールソフトに近い使い勝手を提供する。NIIOはそれに加えて、メールの中身の見せ方を改良した。

 (1)メール本文(2)アドレス帳(3)添付ファイルに含まれる画像(4)その他の添付ファイル一覧(5)カレンダーなどをそれぞれ独立した欄に表示できる。現在のプロトタイプ(画像)では以上の5つの要素が用意されているが、プロバイダーなどのサービス事業者が個別に開発して要素を追加することも可能になる予定だ。

■Webメールでは「Yahoo!」や「MSN」「Google」など検索機能を中心としたポータルが強いが、それと競合するサービスになるのか。

 大手ポータルサイトのWebメールと真っ向から勝負できるとは考えていない。提供先としてはプロバイダーや小規模のポータルサイトを想定している。

■NIIOの仕組みと、どのような使われ方を想定しているのかを教えてほしい。

 メールは受信ボックスに入った時点で、ヘッダーや本文など各要素のデータがインデックス化される。そのメールデータに自動的に検索をかけ、結果を各欄に出している。例えば(4)その他の添付ファイル一覧なら、「画像以外の添付ファイル」という検索条件を指定して結果を表示している。各欄はドラッグ・アンド・ドロップで移動することが可能だ。

 用途としては、今までのように個人が使うのに加えて、小規模なグループでの情報共有にも使えるのではないか。個人のメールアドレスA、B、Cのほかに、3人共有のメールアドレスDを持つようなイメージだ。例えば本文中に含まれる日付を認識すると、そのメールを自動的にカレンダーにリンクする機能があり、これはスケジュール共有に使える。画像欄にコメントを追加できる機能も追加する予定だ。