NTTコミュニケーションズは10月31日,メールの誤送信による情報流出を阻止できる「電子メール暗号分割システム」(通称,製品名は未定)を発表した。11月1日に発売する。メールの中継サーバーとして使い,手持ちのメール・サーバーと連携させる。「自動宛先分割」と「添付ファイルの自動暗号化」の二つの機能を搭載する。

 自動宛先分割は,送信者があて先に社外のアドレスを複数指定してメールを送信すると,それを自動認識し一つひとつのあて先に向けたメールにする。BCCのつもりでCCやTOに多数のアドレスを指定してしまい,送り先に第三者のアドレスを知られてしまう事態を回避できる。

 添付ファイルの自動暗号化は,あて先が社外か社内かを問わずメールの添付ファイルを自動的に「Camellia」方式で暗号化。EXEファイルにして再添付する。このとき復号用パスワードを記載したメールも自動作成する。あて先に計2通のメールを送信することもできるが,パスワードを記述したメールのみ自分に送り電話でパスワードを伝えることで盗聴を防ぐ使い方も可能だ。

 受信者側の都合などで上記の機能を使えない場合のために,BCCに特別なアドレスを指定することで,自動宛先分割や自動暗号化を解除したり,ウイルス対策を回避するためEXEの拡張子を変えたりできる。

 このシステムは,製品をインテグレーション込みで販売する。価格は500ユーザーの場合で850万円(メール・サーバーのハードウエアとソフトウエアのライセンス,構築費込み)。同社は「初年度30社獲得を目指す」としている。