複数のWebアプリケーションの認証機能を連携させる「SAML2 Agent」のコンセプト
複数のWebアプリケーションの認証機能を連携させる「SAML2 Agent」のコンセプト
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は10月30日,一つのID/パスワードで複数のサービスにログインできるシングル・サインオン製品群「HP IceWall SSO」に,Webサイト間認証の標準仕様「SAML 2.0」による連携機能を追加する「SAML2 Agent」を発表した。複数のサービスを連携させて一つのサービスを構築する際に,サービス運営者が互いの認証情報を共用することでユーザーの認証負担を減らせる。

 SAML 2.0は,Webサービス関連技術の標準化団体「OASIS」が策定した認証連携技術。グーグルの企業向け検索アプライアンス・サーバー「Google検索アプライアンス」が採用するなど,Webアプリケーションでの採用が相次いでいる。

 一方で,複数のSAML 2.0対応アプリケーションの認証をまとめ上げる作業は「大規模サイトの運営者ならともかく,小規模事業者にとって手に余る複雑な仕様」(日本HP IceWallソリューション部の小早川直樹部長)。SAML2 Agentは,SAML 2.0をHTTPサーバー「Apache」のプラグインとして実装することで,Webアプリケーションの改変を不要とした。

 価格は1サーバー当たり136万5000円。接続数は無制限。個々のWebサーバーか,複数のWebサーバーからの通信を中継するリバース・プロキシ・サーバーに導入する。動作環境は,Red Hat Enterprise Linux(AS/ES3 Update5以降,AS/ES4 Update2以降のx86互換CPU用)に付属のApache。

 出荷開始は2007年3月だが,通信事業者が構築中の次世代ネットワーク(NGN)向けの先行導入も視野に入れる。「既に話を進めている通信事業者もある」(日本HP インフラストラクチャソリューション本部の大津山隆担当部長)と言う。