富士通は2006年10月27日、ソニーエナジー・デバイス製のリチウムイオン2次電池を搭載したノートパソコンで、バッテリーパックが発熱し火花が出る事故が1件発生したと発表した(報道資料)

 事故が発生したのは、2006年10月24日の深夜。ノートパソコンから火花が飛び散り、ユーザーが火を消そうとしたところ、手に1、2カ所ほど水ぶくれのようなけがをしたという。

 富士通は2006年10月13日に、発火の可能性があるバッテリーパックの無償交換を行う自主交換プログラムを実施すると発表していた。2006年10月20日から受け付けを開始しており、今回の事故は事故発生の翌日である2006年10月25日に、ユーザーからの連絡によって確認した。

 富士通とソニーは共同で調査を実施している。両社の見解では、今回の事故の原因はやはりリチウムイオン2次電池。現在詳細を究明中だ。該当のノートパソコンは、富士通が定める自主交換プログラムの対象製品の一つ。ただし、「正確な原因が分かっていない段階で、特定の製品のみが危険であり、そのほかの製品は問題ないという印象をユーザーに与えたくない」(富士通広報)との見解から、具体的な製品名については公表を控えたいとしている。

 自主交換プログラムの受け付けを開始した10月20日から26日までの7日間で、富士通は既に約1300件の交換申し込みを受けている。「当初は2~3週間での交換を予定していたが、今回の事故発生により安全性を再度確認したうえで、随時ユーザーに交換時期を連絡するため、当初の予定より時間がかかる」(富士通広報)という。

 このため、富士通は自主交換プログラムの対象機種の取り扱いについて、下記の通りユーザーにあらためて注意を呼びかけている。対象となるノートパソコンを使用する場合、バッテリーパックを取り外し、ACバッテリーを接続した状態で使用する。また、やむを得ずバッテリーパックを搭載した状態で使用する場合は、ACアダプターとの併用や、ホットカーペットなど熱のこもる場所での使用を避ける。交換対象のバッテリーパックを充電する際は、パソコンから離れないようにする、といった内容だ。