IT関連サービス会社の住商情報システム(SCS)は10月27日、2006年9月中間期決算を発表した。前年同期比で売上高(連結、以下同じ)は約37%増の641億8800万円、営業利益が約22%増の25億7900万円と増収増益となった。阿部康行社長は、「民間企業のIT投資は増加中で,おおむね良好。特に金融業のソフトウエア開発,情報通信業のハードウエア投資が大きく利益に貢献している」と話す。収益面では、前年同期に6億円あった不採算案件を2億円に減少させたり、8億円のコスト削減などが奏功した。

 今回の中間決算は、05年8月に住商エレクトロニクス(旧SSE)と合併してから初めてのもの。売上高や営業利益の増減率は、合併前の旧SCSとの比較になる。これを、旧SCSと旧SSEを単純合算した前年同期の業績と比べると、売上高は6.7%増に、営業利益は317.4%増になる。旧SSEが大幅な赤字に陥っていたからだ。純利益をみると、442.6%増の13億3700万円にまで膨らんでいる。

 07年3月期(通期)は当初予測どおり、売上高1400億円、経常利益71億円、純利益36億円を見込む。一方で,自社製ERP(統合業務パッケージ)ソフト「ProActive E2」の開発費用の増加や、リッチクライアント言語「Curl」を使った新規事業の赤字などの課題が残されている。これに対し阿部社長は、「ProActiveもCurlも,3~5年後のビジネスを拡大するためのキラー・ソリューション。重要な事業として引き続き進める」としている。