10月27日時点の米Red Hatのトップページ。Oracleのサービス「Unbreakable Linux」に対し「Unfakable Linux」を掲げ対抗心をむき出しにしている
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 米Red Hatは,米Oracleが10月25日にLinuxのバグ修正を含むサポートを行うと発表した(関連記事)ことに対し「Red Hatは回答する。(Red Hat Responds.)」と題するQ&Aを公開した。

 「Oracleとのパートナーシップに変わりはない」(Red Hat)としながらも,「Oracleによるバグ修正は分岐(fork)となり,Red Hat Enterprise Linuxとのソフトウエアとハードウエアの互換性は保証されない」(Red Hat)と再三にわたって訴える内容となっている。

 Red Hatが公表したQ&Aの概要は以下のとおり。

Oracleとのパートナーシップ

Q: Oracleが最近行った発表により,Red Hatとのパートナーシップは変化するか?

A: ノー。変化はない。Red HatとOracleの間には,7年間の生産的な関係がある。Red Hatは,Oracleと密接に協力し続ける。

JBoss

Q: OracleのサポートはJBossやHibernate,Red Hat GFS,Red Hatクラスタ,Red Hatディレクトリ・サーバーを含むのか?

A: ノー。Oracleはこれらをサポートしない。

ハードウエア互換性

Q: Oracleは,同社のLinuxサポートは,Red Hat Enterprise Linuxと同じハードウエア互換性,および認定を含むとしている。

A: ノー。Oracleは,Red Hatとは無関係にコードを変更すると表明した。これらの変更は,Red Hatのテストを経ないことになり,予期しない動作を引き起こす可能性がある。従って,Red Hatのハードウエア認定は無効となる。

ソフトウエア互換性

Q: Oracleは,同社のLinuxサポートは,Red Hat Enterprise Linuxと同じソフトウエア互換性,およびISV認定を含むとしている。

A: ノー。Oracleは,Red Hatとは無関係にコードを変更すると表明した。これらの変更は,Red Hatのテストを経ないことになり,予期しない動作を引き起こす可能性がある。従って,Red Hatのソフトウエア認定は無効となる。

バイナリ互換性

Q: OracleのLinuxサポートは,Red Hat Enterprise Linuxとバイナリ互換か?

A: ノー。Oracleに行われた変更がAPI(Application Programming Interface),もしくはABI( Application Binary Interface)互換性を保つであろうという保証はない。

ソースコード互換性

Q: Oracleによる変更はfork(分岐)にあたるのか。

A: イエス。Oracleが変更した派生物はRed Hat Enterprise Linuxではない。顧客は,Red Hat Enterprise Linuxとのハードウエア,およびアプリケーションの互換性に確信を持てないであろう。

アップデート

Q: Oracleは,Red Hat Enterprise Linuxと同じアップデートを提供するとしている。

A: バイナリ互換ソフトウエアを作るためには多くの要件がある。ソースコード,ビルド,テスト環境だ。OracleはRed Hatがアップデートをリリースした後でソースコードを入手できるかもしれないが,ビルドとテスト環境はRed Hat Enterprise Linuxのそれと異なるだろう。そのためOracleの修正が正しく機能するという保証はない。