予想外割を発表するソフトバンクモバイルの孫正義社長
予想外割を発表するソフトバンクモバイルの孫正義社長
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 ソフトバンクモバイルは10月23日、新たな割引料金プランを発表した。異なる事業者の携帯電話に乗り換えても電話番号が変わらない「番号ポータビリティ」の開始を翌日に控え、新たに打ち出した施策である。目玉はソフトバンクモバイル同士の通話料金や電子メールを条件付きで無料とする「予想外割」の導入。同社の孫正義社長は「新規の8割が予想外割を契約すると思われる。顧客が料金プランを見て、同じ電話番号で移動できる番号ポータビリティを機に導入する」(写真)と満足気に語る。

 予想外割は第3世代携帯電話サービスの「SoftBank 3G」が対象で、「ゴールドプラン」と呼ぶ料金プランを中心に構成する。同プランは月額の基本料金が9600円。10月26日から2007年1月15日までに加入した場合には、月額2880円と70%割り引く。ユーザーが利用している期間は継続的に適用する。通話料金は21時から24時の利用が多い時間帯を除いて無料となり、21時から24時の間は累計200分までが無料。テレビ電話機能は有料となる。メールはショートメッセージの「SMS」が無料の対象である。なお、携帯コンテンツなどのアクセスに利用するパケット通信料金は1パケット当たり0.21円。料金に上限を設定したプランも用意する。

 このほか、NTTドコモ、KDDI(au)のユーザーに対して、乗り換え時に各社の料金プランから常に月額200円を割り引く施策も発表した。他社での利用期間も引き継ぐ。「両社の奇奇怪怪な料金体系を全部引き継いで割り引く」(孫社長)。NTTドコモやKDDIが値下げをした場合には、「24時間以内に必ず値下げを提示する」(同)という。対象はSoftBank 3Gと第2世代の「Softbank6・5・4・3・2」。こうした料金の最低価格の保証は、ソフトバンクテレコム(旧日本テレコム)の直収電話サービス「おとくライン」でも展開している。

 通話無料の料金プランを導入することで、ソフトバンクモバイルの携帯電話網への負担が大きくなる。これに対して孫社長は「幸い加入者が他社より少なかったため、旧ボーダフォンのネットワークには容量の余裕があった」と説明する。一人当たりの利益が減ることが予想されるが、「データのトラフィックが増えたり、加入者が増える。借入金の返済や資金繰りも十分に可能」(同)としている。もっとも、予想外割は「トラフィックがどの程度か見積もりたい」(同)ため、ゴールドプランの70%割引の申し込み期限を2007年1月15日までの限定としている。