日本アフィリエイト・サービス協会のティム・ウィリアムズ会長
日本アフィリエイト・サービス協会のティム・ウィリアムズ会長
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アフィリエイト・ガイドラインの目的
アフィリエイト・ガイドラインの目的
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日本アフィリエイト・サービス協会の役員として、加盟7社の代表者も顔をそろえた
日本アフィリエイト・サービス協会の役員として、加盟7社の代表者も顔をそろえた
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 アフィリエイトサービスの提供事業者が集まる、日本アフィリエイト・サービス協会は2006年10月19日、アフィリエイト広告の関係者が守るべき基準を示した「アフィリエイト・ガイドライン」を発表した。広告主、広告を掲載するサイト(アフィリエイトパートナー)、両者を仲介するサービス事業者の3者を対象としたもので、アフィリエイト広告をめぐる不正行為をなくし、市場を健全に発展させることを目的としている。「このようなガイドラインが作られるのは、世界で初めて」(同協会の会長を務める、ティム・ウィリアムズ バリューコマース取締役)。

 アフィリエイト広告とは、広告主の商品の紹介を、アフィリエイトパートナーという第三者が自身のWebサイトやブログに掲載することで、商品を宣伝する方法のこと。Webサイトのリンクをクリックした人が、広告主のサイトを訪れたり商品を購入したりすると、アフィリエイトパートナーに報酬が支払われる。

 アフィリエイト・ガイドラインは、大きく5つの項目から成る。(1)アフィリエイト・プログラムへの参加について(2)広告主とアフィリエイト・パートナーとの提携について(3)広告の設定・配信について(4)アフィリエイト・プログラムの終了について(5)個人情報の保護と法令の遵守について、である。例えば(3)においては、アフィリエイト・プログラムにかかわるシステムを安定的に運営すべきこと、クリックの不正な誘発や自らが関与した大量のクリックなどを行わないこと、などが記されている。同協会への参加企業はこのガイドラインを遵守するとともに、不正行為などに関する情報の共有を進めていくという。

 こうしたガイドラインが必要になった背景には、アフィリエイト広告市場の急速な拡大がある。ある調査によれば2005年度のアフィリエイト広告費は314億円に上り、この先さらに増え続ける見込みだ。広告の主体は、不正をはたらきやすい「クリック報酬型」でなく、商品の購入や資料請求など消費者の行動によって広告費が支払われる「成果報酬型」になっているため、今のところ不正行為はそれほど大きな問題になっていない。だが「アフィリエイト市場の規模は拡大を続けている。問題が起こる前にガイドラインを用意し、業界全体が協力してこれを遵守していくことが重要だと考えた」(同協会の副会長である、柳澤安慶ファンコミュニケーションズ社長)。

 日本アフィリエイト・サービス協会の加盟企業は、アドウェイズ、インタースペース、ウェブシャーク、トラフィックゲート、バリューコマース、ファンコミュニケーションズ、リンクシェア・ジャパンの7社。この7社のアフィリエイト・プログラムに参加する広告主やアフィリエイト・パートナーを合計すると、業界全体の8割程度を占めるという。今後、さらに加盟企業を増やしていく方針だ。