左からクリス・カポセラ氏、ダレン・ヒューストン日本法人社長、マイケル・シーバート氏
左からクリス・カポセラ氏、ダレン・ヒューストン日本法人社長、マイケル・シーバート氏
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VistaとOfficeを前面に出したマイクロソフトブース。ステージでのプレゼンテーションにも人だかりができる
VistaとOfficeを前面に出したマイクロソフトブース。ステージでのプレゼンテーションにも人だかりができる
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 PC+デジタルの総合展示会「WPC TOKYO 2006」が、2006年10月18日に東京ビッグサイトで始まった。マイクロソフトでは米国本社から2人の副社長が来日。まもなく発売を迎えるWindows Vistaとthe 2007 Office systemを大々的にアピールした。

 WPC TOKYO初日の基調講演を行ったのは、来日したWindowsクライアントマーケティング担当 副社長のマイケル・シーバート氏と、ビジネス製品担当 副社長のクリス・カポセラ氏。この両氏とマイクロソフト日本法人社長のダレン・ヒューストン氏は、その講演後に同社のブースで記者会見を行った。彼らが強調したのは、生産性やセキュリティの向上、ITコストの削減といった企業にとっての利点に加え、写真や音楽、映画などのエンタテインメントを容易に楽しめるというコンシューマ向けのメッセージだった。

 記者からは、同社のライバルに関する質問が複数飛び出した。例えば「Windows Vistaは、米アップルのMac OS Xと機能面で重なるところがあるが、どの程度意識しているのか」との質問。この問いに対してシーバート氏が返したのは「Windows Vistaの最大のライバルは、Windows XPだ」という答えだった。「現在、世界中で最も広く使われているOSはWindows XP。Windows Vistaを開発するに当たって、Windows XPで行っている作業をより直感的に実行できるようにすることを目指した」(シーバート氏)。

 開発に時間がかかりすぎたのではないかという質問に対しても、「確かに時間がかかったことは認めるが、Windows Vistaはここしばらくの間で最大の進歩だ。現在、世界にはWindowsの利用者が8億人もいる。何よりも最高の品質を確保することの方が重要だと考えた」と応じた。

 Windows Vistaの特徴の一つである検索機能については、米グーグルの存在がどの程度影響を与えたかを問う質問が出た。それに正対する答えはなく、シーバート氏が強調したのは、検索がOSのネイティブな機能として提供されることの重要さだった。つまり、OSの一機能となることで、例えばOSの機能名なども検索対象にするなど、検索の範囲を広げられる。また「ユーザーの操作の状況に合った情報だけを絞り込んで出すことも可能になる」(シーバート氏)。コントロールパネルの画面で検索が実行された場合は、ヘルプだけを表示するといった具合だ。

 一方のカポセラ氏は検索機能について、the 2007 Office systemによって社内の情報検索が容易になると強調。インターネットやデスクトップ上の情報だけでなく、社内に蓄積されている重要な情報に素早くアクセスできるようになるという。また「情報検索のあと、すぐに次のアクションに移れるように表示方法などを工夫した」(カポセラ氏)。

 WPC TOKYO 2006は、「一般の人たちにVistaとOfficeをお披露目する初めての機会」(ヒューストン氏)。マイクロソフトのブースには、両製品を搭載した250台ものノートパソコンがずらりと並んでいる。初めてのWindows Vistaとthe 2007 Office systemをこの手で操作しようという来場者で大盛況だ。会場には、同社の社員100人が説明員として待機。1対1で説明を受けながらパソコンに向かう人の姿が多く見られた。