米マイクロソフトのマイケル・シーバート コーポレートバイスプレジデント
米マイクロソフトのマイケル・シーバート コーポレートバイスプレジデント
[画像のクリックで拡大表示]
米マイクロソフトのクリス・カポセラ コーポレートバイスプレジデント
米マイクロソフトのクリス・カポセラ コーポレートバイスプレジデント
[画像のクリックで拡大表示]

 「Windowsの利用者数は全世界で8億人。Windows Vistaの開発では、そのすべての人に満足してもらえることを目指して、出荷よりも品質の確保を重視した」。こう語るのは、米マイクロソフトでクライアント向けWindowsのマーケティングを統括するマイケル・シーバート コーポレートバイスプレジデントだ(写真1)。

 この発言は、Windows Vistaが一般向けに初めて公開されたパソコン関連の国内最大イベント「WPC TOKYO」で、Windows Vistaの出荷にこれまでになく長い時間がかかった理由を説明したもの。マイクロソフトは何度かの出荷延期や開発体制の見直しなどを経て、ようやくWindows Vistaの出荷にこぎつけつつある。過去は2~3年おきにWindowsのメジャー・バージョンアップを繰り返していたが、今回はWindows XPの出荷から実に5年超の時間をかけた。現在は製品候補(RC)版を配布しており、11月には企業向けに、来年1月には一般向けに出荷を開始する予定だ。

 シーバート氏は、「Windows Vistaは、Windowsの歴史上、最大の進歩を遂げた製品だ」とした上で、「Windows Vistaを開発する上では、個人の生産性を劇的に高めた新たなワークスタイルを提案すること、そしてOSそのものの複雑性を軽減することを目指した。これらはいずれも、大きなチャレンジだった」と語った。

 同氏はさらに、「最大のライバルは、世界で現在最も広く使われているOSであるWindows XPだ」と続けた。「Windows XPでは、デジタル写真や音楽を手軽に楽しんだり、パソコン内だけでなく企業内やインターネット上の様々なデジタル文書を利用できるようになった。Windows Vista開発に当たっては、Windows XPで我々がユーザーに提供した体験を、より簡単に、かつ安全にできるように心がけた」(同)。

 WPC TOKYOではVistaに並ぶもう一つの主力製品「the Microsoft Office System 2007(以下、Office 2007)」も公開された。Office 2007のマーケティングを統括するクリス・カポセラ コーポレートバイスプレジデント(写真2)は、「OfficeはWordやExcelなどを統合したスイート製品から、クライアントとサーバー、そしてインターネットを継ぎ目なく連携させる『システム』へと進化した。企業の内外を問わず、必要な情報を容易に共有する、新たなワークスタイルを提供できるだろう」と語った。

 Windows VistaとOffice 2007は、WPC TOKYOの会場で体験できる。WPC TOKYOは10月21日(土)まで、東京ビッグサイトで開催中。