ソフトバンクモバイル(旧ボーダフォン)は,今週から第3世代携帯電話の電波強度を増幅させるための“ホーム・アンテナ”を無償貸与することを明らかにした。ユーザーの自宅内などで,電波が入りづらい状況を改善して“つながる”場所を増やすことが目的である。既に一部店頭ではユーザーからの申告によってホーム・アンテナの貸与サービスを開始していたが,「これまではプレ・サービスの位置付け」(ソフトバンクモバイル)だった。貸与の申し込みは2007年3月末まで,もしくはホーム・アンテナの台数が20万台に達した時点で締め切られる。

 ソフトバンクモバイルが提供するホーム・アンテナは,「屋外の電波を増幅する小型の無線基地局」(同社)であり,宅外と宅内の両方に機器を設置する。設置場所はユーザー宅の電波環境次第だが,一戸建てと集合住宅の両方を対象とする。ただし,「電波法上,資格者が工事をする必要がある」(同社)ため,ユーザー自らが設置することはできない。設備の移動や電源を切るなどの操作もユーザーがすることは禁じられている。

 こうした制約を了承してもらうことを前提に,ソフトバンクモバイルはユーザーから電話によってホーム・アンテナの設置申し込みを受け付ける。その後同社がユーザーから状況を聞いて調査した後,工事を実施する。工事費も原則無料である。

 同社の孫正義・代表執行役社長は,2007年3月末までに基地局数を合計で4万6000局に増やすと会見で明言している。今回のホーム・アンテナについては,「4万6000局の中に加えることはないだろう」(ソフトバンクモバイル)としている。