Mozilla Japan理事の伊藤穰一氏
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米Mozilla Corporationのジョン・リリーCOO
米Mozilla Corporationのジョン・リリーCOO
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 Webブラウザ「Firefox」を開発する有限責任中間法人Mozilla Japanは10月17日,都内で「Firefox 2」の説明会を開催した。Firefox 2は16日に「Release Candidate 3」(正式版リリース候補第3版)が公開されている次期Webブラウザで,正式版の公開も「近々の日程」(Mozilla Japan)に迫る。

 説明会で,Mozilla Japan理事を務める伊藤穰一氏はInternet Explorer(IE)の独占によってWebブラウザの進化が止まっていたとし,「私の仮説ですが,FirefoxがなければIE7.0はなかっただろう。IEはまだIE 6.5くらいで,それがWindows Vistaに入ることになったのではないか」と発言。「マイクロソフトを動かしただけでも(Firefoxは)成功と言える」と自己評価した。

 Firefox 2はタブブラウザや外部検索エンジンとの連携,セキュリティ対策などで各種の機能強化が図られている。例えば,タブブラウザはこれまで標準ではなかった「閉じる」ボタンや,タブのスクロール機能が追加された。また,Yahoo!やGoogleと連携する検索バーに文字を入力すると,検索キーワードの候補一覧を表示する機能や,フィッシング詐欺サイトを警告する機能,英文のスペル・チェック機能,Webフィードの管理機能などが新たに加わった。

 現在,Firefoxは北米でシェア13.5%,ヨーロッパで同21.9%。一方,日本では昨年の3.6%から8.9%へ2倍以上のシェア増になっているが,絶対値としてはまだ少ない。この点について米Mozilla Corporationのジョン・リリーCOOは「(日本でシェアの低い理由は)本当に分からない。2バイト文字(の処理)が複雑化し,それへの対応に多少時間がかかったためかもしれない」とコメントした。

 Firefox 2はWindows版,Macintosh版,Linux版があり,Mozilla JapanのWebサイトからRelease Candidate 3をダウンロードできる。