写真1 Firefox 2.0(RC3)の画面。Fedora Core 5上で動作している。タブ・ブラウズ機能とWebフィード機能の強化点が確認できる。
写真1 Firefox 2.0(RC3)の画面。Fedora Core 5上で動作している。タブ・ブラウズ機能とWebフィード機能の強化点が確認できる。
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 米Mozilla Foundationは2006年10月17日,Webブラウザ「Firefox 2.0」の公開に向け,最後の製品候補版「RC3」(写真1)のダウンロード・サービスを開始した。日本語に対応したLinux版,Mac OS X版,Windows版が選択できる。また,Mozilla Japanは同日,正式版公開を前に記者発表会を開催し,Firefox 2.0の機能概要を説明した。正式版の公開は10月20日ごろになる予定である。

 Mozilla Japanの記者発表会では,世界市場におけるFirefoxのシェアが2006年9月時点で16%に達したこと,特に欧州では20%を超えたことなどが,Firefoxの勢いを示す証左として挙げられた。

 Firefox 2.0は,2005年11月に公開されたFirefox 1.5の後継となるWebブラウザである。2.0ではタブ・ブラウズ機能,Webフィード機能,検索機能,セッション復元機能,フィッシングサイト警告機能,拡張機能の管理機能などが強化される。

 追加される機能の多くは,従来からユーザーの作成した拡張機能(Extension)の形で提供されていたもの。米Mozillaの最高業務執行責任者であるJohn Lilly氏によると,Firefox本体の機能を向上させる各種拡張機能の有用性を検討し,必要なものをFirefoxに取り込んだという。同氏はまた,研究開発組織「Mozilla Lab」を立ち上げ,Firefoxにこれから取り込むべき機能や拡張機能を研究していくことを明らかにした。今後取り組むべき具体的な機能としては,例えば,ソーシャル・ブックマーク機能や画像アップロード機能などが考えれられるという。

 2.0版の機能強化点のうち,タブ・ブラウズ機能では,各タブに「閉じる」マークを付ける,タブのスクロール機能を追加する,タブの一覧画面を付けるなど,GUIの細かな使い勝手を改善した。

 Webフィード(RSS)の管理機能は,Firefox 1.5にも備わるが,XMLをユーザーが読む必要があった。2.0ではユーザーが見やすい形で登録できる。従来のライブ・ブックマークのほか,デスクトップ上に他のアプリケーション向けに出力する,GoogleやYahooなどの機能を利用する,などが可能になった。

 セッション復元機能も重要である。Firefox自体やOSが異常終了したときに,終了前のセッションを記録しておくものである。Firefoxを再起動するとタブの状況や接続先などを復元できる。