SXシリーズ モデルSX-8R
SXシリーズ モデルSX-8R
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 NECは,最大512ノード時に144テラFLOPS(1秒間に144兆回の浮動小数点演算)の性能を持つベクトル型スーパーコンピュータ「SXシリーズ モデルSX-8R」の販売を2006年10月17日に開始した。2004年10月に出荷した従来のハイエンド機SX-8のプロセサ性能を2倍以上に高めた新モデルである。価格は,月額で約121万円から。今後1年間で200システムの販売を見込む。

 SX-8Rは,プロセサの中枢機能であるベクトル加算器と乗算器の数を,SX-8と比べて倍増することにより,プロセサあたりの性能を35.2ギガFLOPSに高めた。従来は16ギガFLOPSだった。SX-8同様,1ノードあたり8個のプロセサを搭載する。これにより,最大512ノード構成時,144テラFLOPSに達する。NECによれば,ベクトル型スーパーコンピュータの中で世界最高速であるという。

 プロセサとメモリー間のデータ転送速度は,最大288Tバイト/秒とSX-8と比べて約10%向上させた。ベクトル型はスカラー型と比べ,プロセサとメモリー間のデータ転送速度を高められる特徴を持つ。これにより,あらかじめ解析データを分割できないシミュレーションなどの用途において,膨大な量のデータを複数のプロセサで共有して処理するといった用途に適する。また,メモリー容量も1ノードあたり最大256GバイトとSX-8から倍増させた。