写真1 フル・バーチャライゼーション機能を使って,Xenoppix上でKNOPPIXを起動したところ。XenoppixとKNOPPIXの両方とも64ビット版である。
写真1 フル・バーチャライゼーション機能を使って,Xenoppix上でKNOPPIXを起動したところ。XenoppixとKNOPPIXの両方とも64ビット版である。
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 産業技術総合研究所は2006年10月16日,CD-ROMからパソコンを起動してそのまま利用できる1CD Linuxの新版「Xenoppix-x86_64(Xen3.0.2+KNOPPIX-x86_64-5.0.1) CD size」を公開した。

 Xenoppixは,ドイツのKlaus Knopper氏が開発した1CD Linux「KNOPPIX」に,仮想化ソフト「Xen」を組み合わせたもの。新版は,今年7月18日に公開された「Xenoppix(Xen3.0.2+KNOPPIX5.0.1) CD size」を拡張したものだ。

 主な強化点は,(1)米Intel社のCPU「Intel Core 2 Duo」や米AMD社のCPU「AMD Athlon64」などが備える64ビット演算命令に対応したこと,(2)CPUが備える仮想化支援機構に対応したこと,の2点である。

 従来のXenoppixは32ビット命令にのみ対応していたため,64ビット対応のCPUを備えたパソコン上で実行したとしても,64ビット命令を利用せずに動作していた。新版に含まれるLinuxカーネルとアプリケーションは64ビット対応のGCC(GNU Compiler Collection)でコンパイルされているため,プロセッサ本来の性能を発揮できる。産業技術総合研究所によると,円周率πの計算などでは,計算速度が約1.7倍に向上したという。また,Xenoppix本体には,64ビット対応のGCCが含まれるため,新たに64ビット対応のソフトウエアをコンパイルできる。

 Xenoppixの名称は,仮想化ソフトのXenに由来する。Xenは,あらかじめXen用にコンパイルされたLinuxカーネルを実行するパラ・バーチャライゼーション機能と,Xen 3.0から追加されたフル・バーチャラーゼーション機能を備える。フル・バーチャライゼーション機能を使うと,ISOファイルの形で配布されているLinux(もしくは他のOS)をそのまま仮想化して実行できるため,用途が広がる。しかしながら,ハードウエア支援機構を備えたCPU上でしか利用できない。

 従来のXenoppixでもフル・バーチャライゼーションは利用できたが,32ビット向けのLinuxに限定されていた。新版では,32ビット版と64ビット版の双方のLinuxカーネルを利用できる。