NTT東西地域会社が、IP電話サービス「ひかり電話」の不具合修正や機能追加を自動的に行う機能を導入したことが分かった。今回、この自動更新に対応したのは、一般家庭向けのひかり電話。中小規模向けの「オフィスタイプ」は既に自動更新が可能で、大規模向けの「ビジネスタイプ」は対応していない。

 東西NTTは、自動更新機能を加えた新ファームウエアを10月2日から配布開始した。これはユーザー側のIP電話アダプタに適用するものである。NTT東日本が9月に起こしたひかり電話の大規模障害は、ユーザー側ではなくネットワーク側の問題だった。NTT東日本は「今回のバージョンアップと9月の障害は無関係。ひかり電話を利用しない時間帯にファームウエアを自動更新することで、ユーザーの利便性が高まるため導入した」(広報室)としている。

 自動更新機能を導入するには、ユーザーが新しいファームウエアをダウンロードし、IP電話アダプタに適用する。その際、新しいファームウエアの初期値は自動更新をしない状態になっているので、一度だけ設定を有効にする必要がある。

 今回の自動更新機能はユーザーにとって更新の手間が省けるというメリットがある。しかし、更新後のファームウエアに重大な不具合があると、IP電話サービス自体が利用できなくなる可能性がある。同ファームウエアには、IP電話だけでなく宅内ルーターの機能も含まれており、影響範囲は広い。東西NTTや開発ベンダーには、より慎重なテストの実施が求められる。