写真1 芸能ゴシップ・サイトからワンクリック詐欺サイトへ誘導(ネットスターの発表資料から引用)
写真1 芸能ゴシップ・サイトからワンクリック詐欺サイトへ誘導(ネットスターの発表資料から引用)
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写真2 連絡先の電話番号を掲載しているワンクリック詐欺サイトの例(ネットスターの発表資料から引用)
写真2 連絡先の電話番号を掲載しているワンクリック詐欺サイトの例(ネットスターの発表資料から引用)
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 URLフィルタリング製品の開発やURLデータベースの収集・配信などを手がけるネットスターは10月12日,2006年7月から9月までに同社が確認したワンクリック詐欺サイトの動向を発表した。それによると,ワンクリック詐欺サイトの5割が,芸能人のゴシップなどをネタにした芸能情報サイトからユーザーを誘導しているという。

 ネットスターによると,同社が確認しているワンクリック詐欺サイトのほとんどは,“餌”として用意した別のWebサイトからユーザーを誘導しているという。ブログのトラックバックやスパム・メール,検索エンジンなどを経由してアクセスした“餌サイト”でユーザーが画像やリンクなどをクリックすると,ワンクリック詐欺サイトへ誘導されることになる。

 2005年7月から12月までの調査では,7割以上のワンクリック詐欺サイトが,“餌サイト”としてアダルト・サイトや出会い系サイトを使っていたという。ところが2006年になると,芸能情報(芸能界の裏話や芸能人の噂)を掲載しているように見せかけたサイトを“餌サイト”にする詐欺サイトが急増。7月~9月の調査では,5割が芸能情報サイトを“入り口”にしているという(写真1)。

 こういった“餌サイト”は,検索エンジンで芸能人の名前などを入力すると比較的上位に表示されるケースが少なくないという。このため,アダルト・サイトや出会い系サイトには近寄らないようにしているユーザーでも,知らないうちに“餌サイト”およびワンクリック詐欺サイトへ誘導される恐れがあるとして,ネットスターでは注意を呼びかけている。「最近は,検索エンジンからワンクリック詐欺サイトへ誘導されるケースが増えているようだ」(同社マーケティング部部長の高橋大洋氏)。

 ウイルスやネット詐欺などの届け出や相談を受け付けている情報処理推進機構(IPA)でも,「芸能人の動画や画像を検索していて,ワンクリック詐欺の被害に遭った」という報告がユーザーから寄せられているという(関連記事:「危ないのはアダルト・サイトだけではない」)。

 加えてネットスターでは,「無料相談窓口」などと称する電話番号を掲載している詐欺サイトが増えているとして注意を呼びかけている(写真2)。例えば,「間違って登録した場合にはこちらからご連絡ください」として電話番号が掲載されている。高額な料金を請求する表示に慌てて,電話をかけてこちらの連絡先を教えてしまうと,相手からしつこく料金を請求される恐れがある。このため同社では,そういった連絡先が表示されても,絶対に連絡しないよう警告している。

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