米インテルのデジタル・エンタープライズ事業本部デジタルオフィス事業部長のグレゴリー・ブライアント氏(写真右)と、インテルの吉田和正共同社長(写真左)
米インテルのデジタル・エンタープライズ事業本部デジタルオフィス事業部長のグレゴリー・ブライアント氏(写真右)と、インテルの吉田和正共同社長(写真左)
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メーカーの協力を得てズラリと並んだ25台のvPro搭載パソコン
メーカーの協力を得てズラリと並んだ25台のvPro搭載パソコン
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vProのデモ。不正なファイル共有ソフトを利用しようとすると、自動的にネットワークへの接続を停止することができる
vProのデモ。不正なファイル共有ソフトを利用しようとすると、自動的にネットワークへの接続を停止することができる
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遠隔操作でパソコンのBIOS設定も変更できる
遠隔操作でパソコンのBIOS設定も変更できる
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 インテルは2006年10月11日、企業パソコン向けプラットフォーム「vPro(ヴィープロ)」の機能をデモによる実演にて紹介した。同時に、vPro搭載パソコンを投入する主要なメーカーや、ソフトウエアメーカーなどについても発表し、vProブランドの立ち上げをアピールした。

 vProプラットフォームを採用するパソコンは、CPUに同社の最新のデュアルコアCPU「Core 2 Duo」と、「Q965 Expressチップセット」、LANチップ「82566DM」を搭載する。同時に管理機能や仮想化技術を持つ。vPro搭載パソコンは、NEC、富士通、日立製作所、デル、日本ヒューレット・パッカード、レノボ・ジャパンなどの主要メーカーが販売する。

 米インテルのデジタル・エンタープライズ事業本部デジタルオフィス事業部長のグレゴリー・ブライアント氏は、vProの導入による3つのメリットを強調、企業がパソコンの運用管理にかける費用を大きく削減できるとした。
 
 1つめは資産管理の効率化だ。現状では各営業所が何台のパソコンを保有しているかを知るためには、各パソコンの電源がオンになった状態で管理ツールをインストールしている必要がある。vProの場合、ソフトウエア上ではなくハードウエア上に管理機能を搭載しているため、パソコンの電源がオフの状態であったり、管理ツールをインストールし忘れたりしても、正確にパソコンの数を把握できる。

 2つめはセキュリティプログラムの自動アップデートと、不正なネットワーク接続の禁止だ。現状ではユーザー側の設定し忘れや設定変更により、適用されるべきセキュリティプログラムのアップデートが実行されない可能性がある。これに対してvPro搭載パソコンであれば、システム管理者が自動的にプログラムのアップデートを実行できるため実行漏れを防ぐことができる。ウイルス感染の恐れがあるWebサイトへのアクセスや、Winnyなどのファイル共有ソフトを利用しようとすると、システム管理者側が自動的にネットワークへの接続を止めることも可能となる。

 3つめは遠隔操作での故障の診断と修理だ。現状では故障が起きた際、修理のためにシステム管理者が故障したパソコンがある場所まで向かうか、電話で指示を出して修理手順を伝える必要がある。一方、vProは離れた場所から各パソコンの故障の原因を診断することができる。さらに、OSを故障前の状態に戻したり、BIOSの設定を変更して正常な動作ができるように操作することも可能だ。ブライアント氏は「パソコンの運用管理で最も時間と費用がかかるのが修理に関する業務で、vProの導入によって50%コストを削減した例もある」と述べた。

 2007年前半に投入予定の携帯ノート向けプラットフォーム「Centrino Duo」の次世代版(開発コード名はSanta Rosa)では、vProが持つ運用管理やセキュリティー機能をノートパソコンにも搭載していく。「オフィス内ではvPro搭載デスクトップと同等のセキュリティレベルを実現し、外出時にも何らかの機能を段階的に盛り込んでいく」(ブライアント氏)という。