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Slackware Linux Projectは2006年10月2日,Linuxディストリビューション「Slackware 11.0」を公開した(写真1)。
Slackwareは古くから存在する“老舗”Linuxディストリビューションの1つであり,Linuxの上級者を中心に広く利用されている。
Slackwareの特徴は,シンプルな構成のLinuxディストリビューションであること。ディレクトリ構成やソフトウエアの構成が比較的単純で,Linuxカーネルにライブラリなどのミドルウエアやアプリケーションが組み合わさってLinuxディストリビューションとして成り立つ仕組みが分かりやすい
そのため,ユーザーが独自のシステムに変更することが容易であり,さまざまなLinuxディストリビューションの雛(ひな)型として,Slackwareが用いられることも多い。
インストーラはCUIベースのみを採用している(写真2)。また,インストール時に利用するアプリケーション・パッケージは,インストールした後のディレクトリ・ツリーをそのままtarアーカイブに保存した形態を採用している。
インストール時にはそのtarアーカイブがハード・ディスクに展開される。ちなみに,Slackwareには,RPM(RPM Package Manager)といったパッケージ管理システムは搭載されていない。
最新版のSlackwareは,カーネルに2.4.33.3を採用。また,インストール用のDVD-ROM内にはカーネル2.6.17.13(/extra/linux-2.6.17.13)や2.6.18(/testing)も用意されている。
このほか,glibc 2.3.6,gcc 3.4.6が採用された。
GUI環境には,X.Org X11 R6.9.0が利用されており,ウィンドウ・マネージャのWindowMaker 0.92.8(写真3),FVWM 2.4.19(写真4),統合デスクトップ環境のKDE 3.5.4,XFCE 4.2.3.2(写真5)が利用できる。
アプリケーションにはWebブラウザのFirefox 1.5.0.7,メール・クライアントのThunderbird 1.0.5.7(写真6)が含まれる。
さらに,オフィス・ソフトのKOffice 1.5.2,PDFビューアのKPDF(写真7),マルチメディア・プレーヤのXine 0.99.4,Noatun 2.10.0(写真8),Webオーサリング・ツールのQuanta 3.5.4,開発ツールのKDevelop 3.3.4(写真9)などが搭載されている。