NTT(持ち株会社)が試行サービスとして運用している動画共有サイト「ClipLife」が,2006年8月28日に開設してから約1カ月が経過した。この間に約1500件程度の動画が投稿され,国内で競合する動画共有サイトの中ではまずまずの滑り出しを果たしたようだ。

 同サイトは,著作権侵害や公序良俗に反するコンテンツの投稿を自動的に受け付けない仕組みを導入している。このため,動画の大半はユーザーが自ら撮影したり作成したりした映像が中心となる。不正なコンテンツがないという安心感や,作品の再利用や改変の許可などの使用条件を投稿者が設定できる「クリエイティブコモンズ」という枠組みを採用したことなどから,セミプロの映像作家などが自身の作品を公表する場として活用する動きが広がっているようだ。

 だが,動画共有サイト最大手の米YouTubeとは異なり,様々な種類の動画を網羅しているわけではない。NTTはこうした傾向について「動画のポータルサイトは既に存在しており,それらと競合するつもりはない」と説明する。「動画共有というだけで“NTT版YouTube”として紹介されることが多いが,わが社の意図は別のところにある」という。