展示されていた電子ペーパー。7.8型で画素数は640×480ドットになる
展示されていた電子ペーパー。7.8型で画素数は640×480ドットになる
[画像のクリックで拡大表示]

 富士通は、4096色のカラー表示が可能な電子ペーパーの試作品を、千葉市の幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2006」で実演展示している。同社では今後2年程度をめどに製品化を目指す意向だ。

 試作品は7.8型で、表示サイズは120mm×160mm。画素数は640×480ドットで、約110dpiの解像度になる。厚さは約0.9mm。3枚のコレステリック液晶フィルムを張り合わせて形成しており、赤、緑、青の光をそれぞれ反射することでカラー表示を実現している。これまでに開発されている電子ペーパーと同様、消費電力が低い、電源を切っても表示が消えない、曲げられるといった特徴を備えている。

 同社がこれまでに試作してきた電子ペーパーでは、店舗内で商品の価格などを表示する、いわゆる店頭ポップとして使いたいという要望が最も多かったという。そのため、「個人向けの用途を開拓したいという考えから、今回の試作品は電子書籍ビューワーを想定した形とした」(富士通の説明員)という。展示した試作品では、電子書籍やチラシなどを数秒おきに切り替えながら表示していた。

 製品化に向けた今後の技術的な課題としては、画面の書き換え速度の向上や、さらなる表示色数の増加などを挙げている。製造コストについては、「ニワトリが先か卵が先かという話になってしまうが、量産効果を出せれば価格を下げることも可能になると考えている」(富士通の説明員)としている。