写真1 音楽配信サービス「ナップスター」の開始を発表するナップスタージャパンの伏谷博之・代表取締役社長
写真1 音楽配信サービス「ナップスター」の開始を発表するナップスタージャパンの伏谷博之・代表取締役社長
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写真2 ビデオ・メッセージでナップスターの対応端末の拡充計画を語ったNTTドコモの夏野剛・執行役員プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長
写真2 ビデオ・メッセージでナップスターの対応端末の拡充計画を語ったNTTドコモの夏野剛・執行役員プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長
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 タワーレコード・グループのナップスタージャパンは10月3日,3日午後10時よりインターネット経由の音楽配信サービス「ナップスター」を開始すると発表した。ナップスターの最大の特徴は,月額定額制の聴き放題をコンセプトにすること。ユーザーは月額千数百円の料金を支払うことで,約190万曲(うち邦楽は約1割)の音楽を自由にダウンロードすることができる。

 ナップスターのサービスは,「Napster Basic(ナップスター・ベーシック)」「Napster To Go(ナップスター・トゥー・ゴー)」「Napster a la carte(ナップスター・アラカルト)」の3種類。月額1280円のベーシックは,曲をパソコンにダウンロードして聴くことが可能。さらに月額1980円のトゥー・ゴーでは,パソコンにダウンロードした曲をナップスター対応の携帯プレイヤーに転送することができる。一方のアラカルトは,1曲またはアルバム単位で楽曲を購入するサービスで,月間の料金はかからない。1曲当たりの最多価格帯は,洋楽が150円,邦楽が200円。ただしアルカルトのダウンロード対象曲は,約180万曲となる。

 ナップスタージャパンは,ベーシックとトゥー・ゴーを合わせて3年間で100万人の会員獲得,アラカルトで半年以内に月間100万ダウンロードを目指す。タワーレコードの代表取締役社長も務めるナップスタージャパンの伏谷博之・代表取締役社長は,「世間ではCD対音楽配信などという議論もあるが,実際はそんな単純なものではない。タワーレコードの店舗および電子商取引,ナップスターの音楽配信の3チャネルを有効活用して,ユーザーの音楽生活を充実させていきたい」と意気込みを語った(写真1)。

 トゥー・ゴーを契約して楽曲を転送できる携帯プレイヤーは,著作権保護・管理技術の「Windows Media Digital Rights Management 10 for Portable Devices」に対応している必要がある。現在,ナップスターがサービス対応機種として認定を与えているのは,5メーカー21機種。このうち携帯電話機は,NTTドコモの「F902iS」(富士通製)だけだ。

 ただ,タワーレコードの筆頭株主でもあるNTTドコモは,今後ナップスターを軸に携帯電話の音楽対応をしていきたい考え。会見の途中でビデオによるメッセージを披露したNTTドコモの夏野剛・執行役員プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長は,「NTTドコモの音楽戦略はナップスターに依存している。(現在は1機種しかないが)90Xシリーズの次世代機種では,ナップスター対応機をたくさん出したい」と語った(写真2)。