東北学院大学助教授 志子田有光氏。教育機関向けCD起動Linux「KNOPPIX Edu」開発者のひとりでもある
東北学院大学助教授 志子田有光氏。教育機関向けCD起動Linux「KNOPPIX Edu」開発者のひとりでもある
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CD起動Linux「KNOPPIX」を利用する大分市地域プロジェクト
CD起動Linux「KNOPPIX」を利用する大分市地域プロジェクト
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総社市の教育機関で採用したネットワーク・ブートによるLinuxシンクライアント
総社市の教育機関で採用したネットワーク・ブートによるLinuxシンクライアント
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 「ライセンスなど制約の少ないオープンソースが運用コスト削減の工夫を生む」---東北学院大学助教授 志子田有光氏は10月2日,「OSSで変わる教育現場~Open School Platformプロジェクトの可能性~」と題した講演で,教育現場へのオープンソース・デスクトップ導入の現状について報告した。

 Open School Platformはコンピュータ教育開発センター(CEC)が経済産業省の委託を受け進めている,教育現場へのオープンソース・デスクトップ導入プロジェクト。毎年数百台のオープンソース・デスクトップを導入しており,2004年度のIPA「学校教育現場におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての実証実験」から数えて現在3年目になる(関連記事

 志子田氏が教育現場へのオープンソース導入の課題としてあげるのが,現場のシステム管理負担の軽減である。教育現場は運用のためのスキルや人材が十分でないケースも多く,その軽減が導入成功のためのポイントになる。志子田氏は成功例として,CD起動LinuxのKNOPPIXを採用した大分市地域プロジェクトや,サーバーからCFへリカバリできるようにした仙台地域プロジェクト,ネットワーク・ブートによるシンクライアントを採用した総社市地域プロジェクトの例を挙げ「オープンソース・ソフトウエアがライセンス料などに縛られていないことが,このようなシステム管理効率化のための工夫をする原動力になっている」と指摘した。

 またコミュニティの重要性を指摘。たとえばCD起動Linuxを教育に利用する教育者のコミュニティであるKNOPPIX教育活用研究会では「約100名の教育関係者が参加し,活用のためのさまざまなアイデアも生まれてきている」(志子田氏)といった活動を紹介した。