ミラクル・リナックスの元プロフェッショナル・サービス部長を務めていた小田切耕司氏は、オープンソースソフトウエア(OSS)のサポートやコンサルティング、教育などを手掛ける新会社「オープンソース・ソリューション・テクノロジ(OSSテクノロジ)」を設立したと発表した(URLはhttp://www.osstech.co.jp/)。社長には小田切氏が就任した。

 新会社は、OSSのミドルウエアを対象に、ユーザー企業やIT企業に対するコンサルティングやサポートを提供する。得意分野として、(1)UNIX/LinuxからWindowsネットワークのファイル共有などを可能にする「Samba」や、ディレクトリサービスの「OpenLDAP」といった、インフラ構築系のOSSに強いこと、(2)各種Linuxのほかに、SolarisやWindowsなど、OSに依存しないサポートを提供すること--を打ち出している。

 OSSテクノロジの設立には小田切社長を含めて4人が参画しており、全員がミラクル・リナックスの元社員。また、小田切社長は、日本Sambaユーザ会の副代表幹事やLinuxコンソーシアムの副会長、日本Webminユーザーズグループ副代表幹事を務めるなど、日本においてOSSのコミュニティや普及促進活動を牽引してきた一人でもある。

 小田切社長は新会社の狙いについて、「Webシステム構築に向けたOSSのサポートサービスは既に多いが、インフラ分野向けのサービスはほとんどなく、我々が参入する余地があった」と説明する。また、市場では、OSSをさまざまなOS上で使いたいニーズが高まっており、「MIRACLE LINUX」を前提にしたミラクル・リナックスでの業務に、個人的に限界も感じていたという。

 新会社のOSSテクノロジはコンサルティングなどに加え、OSSにサポートを付加したパッケージ製品も提供する。Sambaの国際化版やOpenLDAPなどを供給する予定だ。会社登記は9月12月で、10月からはセミナーを実施するなど事業立ち上げに向けた顧客開拓に着手する。