アイピーモバイルは10月2日,同社が来春開始予定のTD-CDMAによる移動体通信サービスについて,商用化に向けた実験を実施すると発表した。実験局免許が交付され次第,基地局の設置工事に着手。実験を開始する予定だ。

 今回の実験では,商用サービスでも利用することを前提にインフラを構築する。検証する内容は,複数基地局を設置した場合のハンドオーバーや干渉などの電波特性のほか,認証・課金を含めたインフラ全体の安定性の確認などである。

 実験は来春までを予定しており,千代田区,港区,中央区などの都心部から基地局の設置を開始。その後,順次エリアを拡大する予定としている。設置する基地局数は「地権者との置局折衝の進捗に左右されるため未公開」(アイピーモバイル)とした。

 なお,今回の実験で利用する基地局は,最大11Mビット/秒のデータ通信に対応する。以前は最大5.5Mビット/秒のサービスを予定していたが,7月に方針を変更した(関連記事)。これに伴い,システムの占有帯域幅も5MHzから10MHzに拡大している。

●日経コミュニケーション編集部より 当初掲載は「2007年初頭には,アイピーモバイルが選定したモニターを対象にプレサービスを提供する。」としていましたが,アイピーモバイルからの申し入れによりこの一文を削除しました。実験期間中のプレサービスの予定はありません。