写真1 センドメールなどが販売する迷惑メール対策アプライアンス「EasyNetBox for Spam Filter powered by Sendmail」
写真1 センドメールなどが販売する迷惑メール対策アプライアンス「EasyNetBox for Spam Filter powered by Sendmail」
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 センドメール,CSK Winテクノロジ(旧エイ・エヌ・テイ),テンアートニの3社は10月2日,中堅・中小企業向け迷惑メール対策アプライアンス「EasyNetBox for Spam Filter powered by Sendmail」を発表した(写真1)。最大の特徴は,メール・システム管理の専任者がいない企業でも容易に管理できるよう,迷惑メール対策フィルタで“チューニングレス”を実現した点にある。

 同製品に搭載されるENBスパムフィルタは,競合他社が提供するベイジアン・フィルタやヒューリスティック分析などと異なり,大規模なユーザー・コミュニティからの情報を頼りに分析するコラボレーション型を採用する。コミュニティには,全世界156カ国2000万ユーザー,1600社のユーザー企業,2000社のインターネット・サービス事業者(ISP)が参画する。発表会の席上,センドメールの小島國照日本法人社長は「従来のフィルタがWeb 1.0なら,複数のユーザーが参画するENBスパムフィルタはWeb 2.0型と言える」と強調した。

 複数ユーザーから申告された情報を頼りに迷惑メールを特定するという点では,受信拒否リストを持つサイトにメールを受信する都度問い合わせて拒否するかどうかを判断するRBL(realtime blackhole list)やハニーポットなどと似ている。だがRBLなどと異なり,エンドユーザーからのクレームがあっただけではすぐにそのメールを送信する企業をブラックリストに登録するわけではない。

 ENBスパムフィルタでは,情報を寄せるユーザーは信頼度で格付けする仕組みを取り入れる。例えば,正確な情報を配信するユーザーは信頼度が上がり,誤った情報を配信するユーザーは信頼度が下がる。信頼度が高い多数のユーザーから迷惑メールであるという意見が寄せられない限り,迷惑メールと判断されない。この方式を使うことで,「迷惑メールの検知率を98%としながら,正常メールを誤って迷惑メールと判断する誤検知を0.0001%以下に抑えられた」(小島社長)と言う。

 価格は100ユーザー・モデルの「EasyNetBox for Spam Filter 100U」が68万7750円,200ユーザー・モデルの「EasyNetBox for Spam Filter 100U」が85万500円。出荷予定は10月10日。