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 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は10月2日,2006年度の「自治体におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての導入実証」の採択結果を発表した。山形県庁,大分県庁,千葉県市川市,栃木県二宮町の4自治体に,総額2億円以上をかけてオープンソース・ソフトウエアを使用したデスクトップPCやシステムを導入する。

 同事業は経済産業省の委託を受け,2005年度から開始されている事業で,電子政府にオープンソース・ソフトウエアを導入するための実証として,自治体に導入し,課題を検証するとともに解決のための方策を作成しようというもの(関連記事)。今年度は11件の応募があった。2回目となる今回は「前年度の実証を踏まえ,大規模な導入を指向し,そのための課題解決を目指すとともに,サポートを充実される取り組みを行う」(IPA OSSセンター長 田代秀一氏。また,地元の中小ITベンダーの参入が容易になるよう,ベンダーへの発注単位の分割や,インタフェースの明確化なども指向する。

 山形県庁では,オープンソース・ソフトウエアによるSOA(サービス指向アーキテクチャ)基盤を導入し,その上に文書管理システムを構築する。ServiceMix,Tomcat,ActiveMQ,PXEといったオープンソース・ソフトウエアを採用する。

 大分県では,ファイル管理基盤,職員認証基盤,電子決済基盤システムをオープンソース・ソフトウエアで構築する。同システムはLinuxクライアントおよびWindowsクライアントから利用する。

 千葉県市川市では公共施設予約システムをオープンソース・ソフトウエア・ベースに移行する。同予約システムは年間4万6000件のアクセスがあるという。市役所職員が運用管理を行う際にはICカードを使用しているため,LinuxクライアントからもICカードを使用できるようカードリーダー/ライターのデバイス・ドライバも開発する。

 栃木県二宮町は昨年度も同事業に採択され,町役場の全職員の事務用パソコン約140台をWndowsからLinuxへ移行している(関連記事)。今年度はOpenOffice.orgでのVBA互換機能,文書データ変換機能を活用し,既存の文書をオープンな文書データ標準形式であるODFに変換する手順のマニュアル化などを行う。また近隣自治体がオープンソース・ソフトウエアを活用できるよう,ソフトウエアや資料をダウンロードできるサーバーを公開したり,近隣自治体に小規模な試験的導入を行うことも計画しているという。