事業開発・アライアンス担当のマーク・フレッセル氏
事業開発・アライアンス担当のマーク・フレッセル氏
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パートナーアライアンス担当のジェフ・キャンベル氏
パートナーアライアンス担当のジェフ・キャンベル氏
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 世界初のオープンソースCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ソフト「SugarCRM」で知られる米SugarCRMから、マーク・フレッセル事業開発・アライアンス担当バイスプレジデントとジェフ・キャンベル パートナーアライアンス担当ディレクタが来日、最新の商談動向や、システムインテグレータ向け商材としてのSugarCRMのセールス・ポイントを語った。骨子は次の通り。

◆2004年8月に、オープンソースモデルをCRMアプリケーションに適用しようと、会社を設立してから2年が経過した。今では、SugarCRMには日本語バージョンを含む14カ国語版が存在する。SugarCRMを使ったアプリケーションの開発者は世界で5000人、パートナー企業は150社を超え、商用版は35カ国で販売されるまでになった。拡張機能は既に250種類が利用可能だ。顧客は現在800社強だが、半年で2倍というペースで増え続けている。

◆普及の鍵になっているのは、まず開発言語にPHPを採用したこと。取り組みやすい言語で簡単に拡張機能を作れるため、パートナーや開発者に支持された。もう一つは「国や地域、業種などに特化した商材を作りたい」というSI企業のニーズに合致したことだ。我々が提供するSugarCRMはいわば「標準型」。これを使って、実際の市場に明るいSI企業が、得意市場のニーズに合わせた「特化型」の商材を作るという構造だ。

◆オープンソース企業の成功に必須なのは、コミュニティを開設し、支援し、育成していくこと。そのためにはスポンサーシップやリーダーシップが必要だ。ここの部分については製品メーカーである当社が引き受ける。コミュニティの参加者は、柔軟で使いやすく機能の充実した製品を簡単に入手できることがメリットであり、我々はそこから商用版を作って販売することで、コミュニティの維持、育成に必要な資金を得ることができる。

◆我々はCRMに特化しており、それ以外のアプリケーション領域に出て行く気はない。ただし大規模な導入に備えて、CRMアプリケーションの基盤となる機能の強化には注力している。詳細はまだ明かせないが、近く他社製品との統合を容易にする機能をリリースする予定だ。例えばポータル製品などが有望だと考えている。

◆SugarCRMは中小企業から大企業までカバーできる商材に育てる。もともとCRMは成熟市場であり競合が多い。最近は大規模案件も出ており、例えばシーベル製品とぶつかるような商談がどんどん増えている。

◆当社は製品メーカーなので、市場に出るにはパートナー企業が必要だ。日本ではシーイーシー、ケアブレインズという、ビジネスモデルの異なる2社と契約している。米国やヨーロッパ主要国、日本やその他のアジア太平洋諸国では、既にパートナーとの協業実績が出ているが、まだ端緒に付いたばかり。今後大きく伸びると期待している。