Moziila Corporation CEO Mitchell Baker氏
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Mozilla Japan 代表理事 瀧田佐登子氏
Mozilla Japan 代表理事 瀧田佐登子氏
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 「Mozillaには検索サイトから年間数十億円の収入がある」---Mozilla CorporationのCEOであるMitchell Baker氏は9月29日,記者会見でMozillaの普及状況などについて語った。またMozilla Japan 代表理事の瀧田佐登子氏は,ダイキン工業でメール・クライアントMozilla Thunderbirdの1万ユーザー規模での導入が進んでいることを明らかにした。

 Baker氏は「記者会見でFirefoxには約6000万のユーザーがおり,約13%のシェアを獲得している」と普及が進んでいることを強調した(関連記事)。財政面では,年間数千万ドル(数十億円)の収入があるという。「収入源は広告と検索。検索サイトとパートナーシップを結んでおり,Firefoxの右上の検索フォームから誘導することで収入が得られる」(Baker氏)。そのほとんどは,Firefoxでデフォルトの検索エンジンとして設定されているGoogleからのものと見られる。

 また企業への普及に関しては「カスタマイズキットを提供し,企業が容易に導入できるようにしている」(Baker氏)とする。「残念ながら,導入した企業の実名はなかなか紹介できない。企業側に,変に目立つことは避けたいという意向がある」(Baker氏)。

 日本では「Mozilla Japanの設立当初から企業への普及を意識していた」(瀧田氏)。現在のところ,FirefoxよりもThunderbirdのほうが先に浸透し始めているという。「大阪に本社を置くダイキン工業では,現在Thunderbirdへの移行を進めている。同社は1万ユーザー規模でNetscape Communicatorを使用しており,現在段階的にThunderbirdへの移行している」(瀧田氏)という。

 「企業への普及にあたっての課題は,Internet Explorer(IE)のみに対応した企業内外のコンテンツ」(瀧田氏)だ。IEとの互換性問題に関してMozilla Japanでは,表示を修正するスクリプトをサイトごとに用意し正しく表示できるようにする「TouchUpWeb」を開発,無償配布している(関連記事)。