大手食品スーパーのエコス(本社:東京都昭島市)は2007年2月、日立製作所が経済産業省の委託を受けて開発した5円ICタグ「響タグ」を実導入する。エコスをはじめとして中小スーパーなど58社が加盟する全国セルコグループ運営本部が2007年2月、埼玉県所沢市に共同物流センターを開設するのにあわせて、カゴ車の追跡管理にICタグを適用する。

 ICタグ適用の目的はまず、カゴ車の紛失を防ぐことにある。商品のケースを載せて、センターから各スーパーの店舗への配送に使うカゴ車はこれまで、必ずしも適切に管理されてこなかった。店舗に納入されたカゴ車が商品の置き場として使われるなどして、何カ月も返ってこないことがある。外部に流出して失われるカゴ車もあった。年間にすると約1000個がなくなり、約1300万円の損失となっていた(1台は約1万3000円)。これをICタグの適用により防ぐ狙いがある。

 約1万5000個のカゴ車のすべてにUHF帯対応の響タグを取り付け、商品を配送する際とカゴ車を返却してもらう際に読み取る。ICタグの読み取りは、カゴ車をトラックに出し入れする際にゲート型リーダーを使って自動的に行う。読み取ったICタグのIDと、カゴ車の行き先または返却元とをひも付けてデータベースに登録する。その情報を追跡することにより、どの店舗でカゴ車がなくなっているのかが判明する。数多く紛失している店舗が判明すれば、個別に改善を促せる。

 このほか配送するカゴ車をトラックに積み込んだときに、カゴ車の台数や到着時刻を店舗にメールで伝える機能も用意する。店舗側で、商品を受け取る作業者の手配を計画しやすくするためである。