写真1 孫社長自らがデザインにも関わったというポータルサイト「Yahoo!ケータイ」
写真1 孫社長自らがデザインにも関わったというポータルサイト「Yahoo!ケータイ」
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写真2 仮想空間でチャットなどが楽しめる「S!タウン」 ソフトバンクによる買収前からボーダフォンが準備していたサービスだ。仮想空間内の広告ビジネスなども検討中という。
写真2 仮想空間でチャットなどが楽しめる「S!タウン」 ソフトバンクによる買収前からボーダフォンが準備していたサービスだ。仮想空間内の広告ビジネスなども検討中という。
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 10月24日に迫った番号ポータビリティ(MNP)の開始に向けて,ソフトバンクモバイル(現ボーダフォン)のサービスがついに明らかになった。9月28日に開催した記者会見上で孫正義社長は,Yahoo! JAPANのサービスを携帯電話向けにカスタマイズしたポータルサイト「Yahoo!ケータイ」(写真1)こそが,ソフトバンクモバイルの最も強力なサービスであることを強調。「株式情報やニュースなど,パソコンの世界ではNo.1のYahoo!のコンテンツを携帯電話でも使えるようにする。しかも全部タダで提供。コンテンツを利用するには有料会員登録しなければならない,iモードやEZwebなどのビジネスを根底から覆す」(孫社長)と意気込んだ。

 ポータルサイト「Yahoo!ケータイ」は,同日発表となった新端末に備え付けた「Y!」ボタンを押すことでダイレクトに接続可能。トップページはパソコン向けのYahoo! JAPANによく似たデザインであり,孫社長自らがデザイン・ワークにかなり口を出したという。

 このほか,Yahoo!メールやYahoo!メッセンジャーなどのサービスを端末上で統合して利用できるツール「Yahoo! mocoa」や,3Dの仮想空間の中でチャットやゲームなどが楽しめる「S!タウン」(写真2)などのサービスも用意した。

 さらにこれまで他の携帯電話事業者にあってボーダフォンにはなかったサービスも一挙に追加。文字色や画像の挿入ができるHTMLメール「アレンジメール」や,待ち受け画面にプッシュ型で情報を無料配信する「ライブモニター」,パソコン向けサイトが閲覧可能なフルブラウザ「PCサイトブラウザ」,最大11人とトランシーバのような片方向の一対多の通信ができるプッシュ・トゥー・トークの仕組みを使った「サークルトーク」(試験サービス中は無料で提供)などを揃えた。

 ただし期待の大きかった料金施策については新しい話が無く,質問を受けた孫社長は「我々は“大人のソフトバンク”であり,料金施策についてはこれから徐々に詰めていきたい」にとどめた。

 発表会では9月から開始した携帯端末を割賦販売する新販売手法「スーパーボーナス」についても質問が飛んだ(関連記事)。孫社長はスーパーボーナスは「番号ポータビリティの開始によって携帯電話ビジネスが崩壊することを防ぐための対策」と説明した。

 「ほんの数カ月で事業者や端末を乗り換える人が多くなると,(販売奨励金を支払って端末の価格を下げている)現在の携帯電話会社のビジネスはすさんでしまう。一方でこれまでの販売モデルは長く使ってもらっているユーザーには料金は高かった」(孫社長)。スーパーボーナスは,短期の解約を防ぎ,長期契約者を優遇するために編み出したと明言した。