Xenを社内システムの標準構成に(<a href="http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060725/244240/" target="_blank">Enterprise Linux 2006</a>での講演より)
Xenを社内システムの標準構成に(<a href="http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060725/244240/" target="_blank">Enterprise Linux 2006</a>での講演より)
[画像のクリックで拡大表示]
Xen上で動作するDBアプリケーションの性能測定(&lt;a href="http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060725/244240/" target="_blank"&gt;Enterprise Linux 2006&lt;/a&gt;での講演より)
Xen上で動作するDBアプリケーションの性能測定(<a href="http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060725/244240/" target="_blank">Enterprise Linux 2006</a>での講演より)
[画像のクリックで拡大表示]
Xenによる住友電工のシステムの将来構想(&lt;a href="http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060725/244240/" target="_blank"&gt;Enterprise Linux 2006&lt;/a&gt;での講演より)
Xenによる住友電工のシステムの将来構想(<a href="http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060725/244240/" target="_blank">Enterprise Linux 2006</a>での講演より)
[画像のクリックで拡大表示]

 住友電気工業は2006年9月,オープンソース仮想マシン・ソフトウエアXenの業務システムへの適用を開始した。今後構築する基幹システムは原則としてXenを利用する。Xenを組み込んだLinuxを提供したノベルでは「海外でもインターネット・サービスで利用した例はあるが,エンタープライズでの実運用例はおそらく世界でも初めてではないか」と話している。最大手の米Red Hatは商用版のRed Hat Enterprise LinuxでまだXenを正式にサポートしていない。

 住友電工がXen上での稼働を開始したのは,ソフトウエア生産管理システムおよび開発用サーバー。ソフトウエア生産管理システムは,ソフトウエア開発の指示と進捗,構成などを管理するシステムである。9月中旬に稼働を開始「約2週間が経過したが,特に障害は発生していない」(住友電気工業 情報システム部 システム技術グループグループ長 中村 伸裕氏)という。

 Xen上ではミドルウエアとしてJavaアプリケーション・サーバーTomcat,PostgreSQLを利用,Webアプリケーション・フレームワークとして住友電工が開発した楽々Framework IIを利用している。

 仮想マシンを利用した目的は,システムの可用性向上などだ。住友電工では,災害対策のための関東と関西2つのデータ・センターで相互にバックアップできる体制を敷いている。仮想マシンの利用により,サービスの別サーバーや別センターへの引継ぎが容易になる。OSのディスクイメージをバックアップしておけば,サーバーやセンターに障害が発生してもすぐに別のサーバーでサービスを継続できるためだ。さらに保守が切れたRed Hat Linux 7.3などの古いOSを,Xenの上で新しいハードウエアで継続して利用することも検討している。

 仮想マシン・ソフトウエアとしてXenを選択したのは,同社がTomcat,PostgreSQLなど多くのオープンソース・ソフトウエアを社内標準として選定しており,オープンソースであるXenが親和性や将来性が高いと見たためだ。「性能面では全く問題ない」(中村氏)。住友電工はXen上での処理性能の測定を行っている。動作周波数3.8GHzのXeon 2CPUのマシン上で56ミリ秒かかったPostgreSQLの集計処理が,VT対応で動作周波数3.0GHzのデュアルコアXeon (Woodcrest)2CPUのマシンでは35ミリ秒で終了した。