右がRFIDリーダー
右がRFIDリーダー
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携帯電話にRFIDリーダーを装着し、データを読み取る
携帯電話にRFIDリーダーを装着し、データを読み取る
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 日立製作所とKDDIは、au向けの携帯電話と組み合わせて使うRFID(無線ICタグ)リーダーを開発したと発表した。法人ユーザー向けに日立とKDDIが販売するほか、2社からパートナーにも商材を供給する。10月2日から受注活動を始める。

 2社が開発したRDIDリーダーは、本体でタグの情報を読み取り、その情報をBluetooth通信で携帯電話に送る、という機能を備える。読み取った情報は、携帯電話の画面ですぐに確認できる。RFIDリーダーは携帯電話の背面に取り付ける形状をしているが、離して使うこともできる。

 RFIDリーダーと携帯電話を連携させるメリットは、(1)専用のリーダー端末を持ち歩くよりも携帯性に優れる、(2)GPS(全地球測位システム)やパケット通信など、携帯電話の様々な機能を活用したRFIDソリューションを開発できる--という点にある。例えば、読み取ったタグの情報とGPSで取得した位置情報を、パケット通信ですぐにサーバーに送信することで、「いつ、どこに、何があるか」を、センター側でリアルタイムで補足できる情報システムが可能になる。

 具体的には、鉄道会社と共同で、線路の保全管理システムへの応用を試行しているという。線路沿いに目印として打ち込んだ杭にタグを内蔵。作業員は、この杭にリーダーをかざすことでメンテナンス情報をサーバーから参照したり、作業結果をサーバーに反映したりできる。また、運輸業界向けには、荷物をリアルタイムで補足できる宅配トレーサビリティシステムへの応用を提案しているという。

 なお、今回のリーダーが対応するRFIDは、2.45GHz帯を使う日立製の「ミューチップ」。標準価格は8万4000円。日立とKDDIは今後3年間で1万台の出荷を見込んでいる。