日立とKDDIが開発した携帯電話機に装着可能なRFIDリーダー
日立とKDDIが開発した携帯電話機に装着可能なRFIDリーダー
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 日立製作所とKDDIは9月27日,携帯電話機に装着可能なRFIDリーダー(読み取り機)を開発したと発表した。10月2日より販売を開始する。

 開発したRFIDリーダーは日立のRFIDタグ「ミューチップ」に対応。携帯電話機とは近距離無線通信規格Bluetoothでつながる。単4形アルカリ乾電池またはニッケル水素電池で駆動可能。このため,分離しても利用できる。価格は8万4000円。受注から納入までに5カ月かかるため,出荷は来年の3月1日からになる。

 今回の製品により,携帯電話を使ったソリューションの幅が広がる。同日行われた発表会では,(1)レール敷設/保守管理システム,(2)配達支援システム,(3)商品購入システムが例として挙げられた。特に(1)のシステムは既に試験導入が決まっているという。

 (1)のレール敷設/保守管理システムは線路脇に挿す杭にミューチップを内蔵。杭のIDと携帯電話機のGPS機能から取得した位置情報,管理情報をサーバー側に送ることでレールのメンテナンスを容易にするというものである。(2)の配達支援は荷物にミューチップを付け,場所や状態の変化に応じてサーバーにデータを送り,配送効率や顧客へのサービス向上につなげるシステムである。(3)の商品購入システムは,顧客が携帯電話機とRFIDリーダーを使用して店舗に並ぶ商品の情報の確認から購入までを行うものだ。

 日立の情報通信グループトレーサビリティ・RFID事業部の井村亮事業部長は「家電などにRFIDタグが付くようになれば,携帯電話で型番を調べ,リコール対象の製品かどうかが分かるようになる。こうしたシステムを是非やりたい」という。また,KDDI技術統括本部技術開発本部の渡辺文夫本部長は,「今回は利用できる携帯電話機の自由度などを考えてリーダーを分離したが,今後,RFIDが普及すれば,内蔵型を提供することも考えられる」とした。