情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は9月27日,DLNA(digital living network alliance)の技術仕様に対応したクライアント・ソフトを搭載する携帯電話を試作したと発表した。デジタル・テレビで視聴するコンテンツなどの決済に利用できる。ACCESSおよびNTTドコモと共同で試作した。

 DLNAは,DVDレコーダやデジタル・テレビなどのAV機器や情報家電などを連携させるための技術仕様を策定している業界団体である。この仕様に携帯電話を対応させるため,CIAJがビジネスモデルを研究し,ACCESSがDLNAクライアント・ソフトを開発。ドコモが市販品の携帯電話機(P902i)を改造して,無線LANモジュールを搭載し,これを制御するソフトを携帯電話機のOS(Linux)に組み込んだ。決済機能は「iアプリ」で実装している。

 今回の実験環境は,携帯電話で視聴したいコンテンツを選び決済を済ませると,DLNAに対応したセットトップ・ボックス(STB)に映像が配信され,DLNAクライアントからの指示により再生できるというもの。つまりDLNAクライアントは,STBに対するリモート・コントローラとして振る舞う。またコンテンツのメニューを,「DLNAホーム・サーバー」からダウンロードする際にも使われる。

 CIAJは今回の試作に至った動機を「パソコンのオンライン決済は,3000円以上でないと手数料が高くペイしないと言われる。携帯電話だと1000円以下のものでも効率的に決済できるから」としている。この試作機は,10月3日から千葉市の幕張メッセで開催される展示会「CEATEC JAPAN 2006」に出展予定。