4社合同の記者会見
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共通端末(リーダー・ライター)
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 JR東日本、NTTドコモ、JCB、ビットワレットの4社は9月27日、それぞれが運営する非接触電子マネー・決済サービス(Suica、iD、QUICPay、Edy)を、来年1月をメドに1台の決済端末で利用できるようにすると発表した。4社以外の決済事業者の参加も呼びかけていくという。

 現在、Suicaは1日に約37万件、Edyは同じく約48万件の利用がある。ID、QUICPayも含めて、有力な非接触決済サービスが提携したことで、少額電子決済の普及に弾みがつきそうだ。電子マネーを巡る競争は、従来の加盟店・端末数の拡大から、サービスやブランド力の勝負に移行することになる。

 Suicaを運営するJR東日本の小縣方樹・常務取締役IT事業本部長は、「現在は様々な仕様の電子マネーがあり、事業者は導入する際のコスト負担や端末設置スペースの確保について難しさがある。利用者も不便なので、決済端末の共通化が必要と判断した。日本の電子マネーの発展にとってエポックメイキングな提携だ。世界に誇る電子決済国家への流れを促進できればと思う」と話した。

 Edyを運営するビットワレットの奥出勉・取締役執行役員専務マーケティング本部長は、「我々はお互いが競争相手でもあり、電子マネー普及の夢を持つ同志でもある。今回の提携がEdyのさらなる普及のための契機になる」と話した。

 既にNTTドコモとJR東日本は、インフラ共通化のための組織「共通インフラ運営有限責任事業組合(LLP)」の設立を発表しており、10月に4億円を折半出資して設立される。JR東日本(Suica)とNTTドコモ(iD)の2社は既に共通インフラの開発を進めており、ららぽーと(千葉県船橋市)が運営する4つの大型商業施設に導入すると発表していた(関連記事)。この共通インフラの枠組みに、新たにJCB(QUICPay)とビットワレット(Edy)が参加することになる。ららぽーとのほか、イオンも新決済インフラを採用する予定。

 4社以外にも、JR西日本の「ICOCA」などの鉄道会社が電子マネーを展開しているが、JR東日本の小縣常務は、「ほかの鉄道事業者とは既に乗車券としての相互利用を始めている。電子マネーの相互利用も考えられる」と話した。