ユニバーサルソリューションシステムズは,ネットワーク上のRDBMS(リレーショナル・データベース管理システム)をWindowsの共有ドライブとして利用するためのミドルウエア「Cybele Secure File System Ver1.0」を,2006年10月1日に出荷する。データ・バックアップやクラスタリングなどRDBMSで可用性を確保するために使っている手法を継承できるため,ファイル・サーバーをネットワーク・マウントするよりもデータの保全性が高まるとしている。価格は,1ユーザーあたり1万2000円(次年度は2400円)。

 Cybele Secure File Systemは,RDBMSをファイル・データの格納に利用するクライアント/サーバー型のファイル共有システム。Windowsのファイル・システムをエミュレートし,Windowsからは,あたかも1つのドライブのように扱える。フォルダに対するユーザー/グループ単位でのアクセス制御やファイルのロック(排他制御)なども可能である。データ格納時には暗号化を施して安全性を高めるほか,データ圧縮して保存することでDB容量を節約する。

 クライアント・ソフトの「CSFエージェント」は,ローカル・ドライブとしてRDBMSを利用できるようにするミドルウエアである。CSFエージェントを導入した環境で,実際にはRDBMSに格納されているデータに対して,フォルダ操作やエクスプローラによる操作が可能になる。クライアントとサーバー間の通信プロトコルはWebアクセスに用いるHTTPを採用,HTTPを使えるネットワーク環境であれば,そのまま利用できる。

 CSFエージェントはまた,印刷処理を含めたファイル操作ログを取得し,サーバーに送信する。これにより,誰がどのようなファイル操作をしたのかを集中管理でき,内部統制に役立つ。CSFエージェントの稼働OSはWindows 2000以降。サーバー・ソフトの稼働環境は,Javaが動作する環境。WebShereなどのJavaアプリケーション・サーバーで利用することもできるが,Cybele Secure File System自体がWebサーバー機能をパッケージに含むため,単体でも利用できる。動作を保証するRDBMSは米IBMのDB2。特に同社では,米IBMのオフコン「System i」(AS/400)をファイル・サーバーとして活用する例としてCybele Secure File Systemを提案している。