文部科学省は9月26日、同省のIT大学院設立構想における支援大学27校を決定した。全体は6グループに分かれており、各グループはリーダー役の大学1校と数校の協力大学から成る。

 この構想は「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」と題して、文科省が公募していたもの。企業情報システムの企画・設計・構築に関する高度なスキルを備えた人材を育成するために、専門の大学院を設置することを支援する。2006年度予算で6億3000万円を確保しており、各グループに配分する。

 文科省が選んだ大学の中には、日本経済団体連合会(経団連)が今年5月に発表したIT専門職大学院の候補である、筑波大学と九州大学もリーダー役として入った。経団連は2005年12月、高度IT人材の育成を目指してIT専門職大学院を設立する構想を発表。筑波大と九州大を候補に選び、2007年4月の開講に向けて、カリキュラム策定や講師選定の詰めの作業に入っている。文科省のプログラムは、もともと経団連のIT大学院構想を受けて立ち上がったものだ。

 選ばれた各グループはそれぞれ、2007年4月の開講に向けて講座開設の手続きを進める。筑波大と九州大が主導するグループは、カリキュラム策定や教材の提供、講師派遣といった形で、経団連のバックアップを受ける。これに加えて、開設するIT大学院の運営資金を確保するため、文科省のプログラムに応募した。文科省のプログラムでは産業界との連携を要件として挙げており、筑波大と九州大以外のグループも、それぞれ民間企業から講師などを受け入れる。

 文科省が決定した大学は以下の通り(カッコ外は公募に申請したリーダー役の大学、カッコ内は協力大学など)。

・大阪大学(京都大学、高知工科大学、奈良先端科学技術大学院大学、兵庫県立大学、立命館大学、和歌山大学、神戸大学、大阪工業大学)
・九州大学(九州工業大学、熊本大学、宮崎大学)
・慶應義塾大学(早稲田大学、中央大学、情報セキュリティ大学院大学)
・筑波大学(電気通信大学、東京理科大学)
・東京大学(東京工業大学、国立情報学研究所)
・名古屋大学(南山大学、愛知県立大学、静岡大学)