キヤノンソフトウェアは,ブログを活用したエンドユーザー対応を進めている。5月半ばから利用を開始し,4カ月経った9月半ばまでで約100件の問い合わせを管理している。

 ブログ・システムの開発には,オープンソースのブログ・ソフト「Nucleus」を採用した。同社では,タスクフォースを設置して情報共有のあり方を検討している。そこでは,ブログに加えてWikiやファイル検索システムも開発した。

 導入を担当した永島盛行氏(ソリューション開発部 ビジネスソリューション開発部)は次のように語る。

 「システム開発プロジェクトの顧客応対をする際,プロジェクト・メンバー同士で情報を共有するため,これまでメーリング・リストを使っていた。しかし,途中参加するメンバーは,メーリング・リストに入っていないため,それまでのやり取りが分からない。ブログを使えば,途中参加のメンバーもこれまでのやり取りを確認したうえで,適切に問い合わせ応対ができる」。

 現場では,ブログのトップページに表示される「記事」にユーザー企業の担当者からの問い合わせ内容を書き込む。問い合わせ応対の経緯を,その記事の「コメント」に加えていくことで,情報を蓄積する。「トップページを開くと問い合わせ内容を一覧できるのがとてもよい」と永島氏は話す。

 顧客応対でブログを使っていくうちに,ブログに備わっている「トラックバック機能」が便利だと気づいた。トラックバック機能とは,ブログの記事のなかに,関連する別の記事を自動的にリンクする機能のことだ。「同様の問い合わせに対応したことがある場合,トラックバックを使えばそのときのページにすぐにアクセスできる」と,永島氏は説明する。