ドイツのミュンヘン市は,市役所内デスクトップPCのWindowsからLinuxへの移行を9月19日(現地時間)から開始したと発表した。同市は,1万4000台のデスクトップPCをWindowsからLinuxへ移行する計画を進めている。

 ミュンヘン市によれば,パイロット・フェーズの評価において良好な中間結果が得られたため移行を開始したという。移行は19日火曜日から開始された。米メディアによれば,第一段階として100台のPCが移行したという(米ComputerWorldの記事)。

 Linuxおよびアプリケーションは,すべてオープンソース・ソフトウエアを採用した。ディストリビューションはボランティア・ベースのDebian GNU/Linux 3.1,デスクトップ環境はKDE 3.5,オフィス・ソフトはOpenOffice.org 2.0。

 ミュンヘン市のLinux移行計画は2003年から進められており,2004年6月に同市市議会で正式に承認された。2004年8月,ソフトウエア特許に関する懸念から移行計画を一時凍結していたが,オープンソース・ソフトウエアの特許リスクはクローズドなソフトウエアと比較して大きくないとの判断に基づき,2004年9月にプロジェクトを再開していた。また2005年にはDebian GNU/Linuxの採用を公表している。

◎関連資料
ミュンヘン市のLinux移行プロジェクト「LiMux」のページ