写真 IPネットワーク設備委員会 安全・信頼性検討作業班の会合の様子
写真 IPネットワーク設備委員会 安全・信頼性検討作業班の会合の様子
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 総務省は9月22日,IPネットワークの信頼性を確保するための管理方法や技術基準を検討する「IPネットワーク設備委員会 安全・信頼性検討作業班」第1回会合を開催した(写真)。IP電話をはじめとするIP系サービスの障害が増え,障害の大規模化や長期化が進んでいることに対処するのが狙い。

 総務省によると,2005年度に起こった通信サービスの事故は把握している分だけで70件。そのうち,27件がIP電話などのIP系サービスで,増加傾向にある。事故の半数以上がソフトウエアなどの不具合によるもので,人為的なミスも増えているという。さらに,復旧時にサーバーが高負荷になって再起動を繰り返すなど障害が長期化する傾向にある。「早くても4~10時間,長い場合は3~4日かかるケースもある」(電気通信技術システム課)。

 第1回会合では,NTT,KDDI,日本テレコムの各事業者から安全・信頼性対策の現状をヒアリングした。NTTは持ち株会社の第二部門次世代ネットワーク推進室の雄川一彦・担当部長が取り組みを説明。19日から21日かけてNTT東日本の「ひかり電話」で発生した障害については「原因は現在究明中。解明した上で近々公表させていただく」とした。また「IP電話にぜい弱性があるわけではない。まだ発展途上の段階にあり,トラフィック制御やオペレーションに関する技術基準や必要機能などを今後検討していく必要がある」との意見を示した。

 次回の会合は10月下旬に開催する。携帯電話事業者,電気通信事業者協会(TCA)の安全信頼性協議会などから安全・信頼性対策の現状をヒアリングする予定である。作業班では2007年3月をめどに技術基準の素案をまとめ,親会のIPネットワーク設備委員会を通じて情報通信審議会の答申を受ける。最終的には省令などへ反映していくことになる。