主要オンライン・ゲームの運営会社が参加したセッション「ビジネスモデルの多様化が進むオンライン市場」では,NHN Japan,コーエー,ガンホーのキーパーソンがオンライン・ゲームのビジネスモデルを語った。
主要オンライン・ゲームの運営会社が参加したセッション「ビジネスモデルの多様化が進むオンライン市場」では,NHN Japan,コーエー,ガンホーのキーパーソンがオンライン・ゲームのビジネスモデルを語った。
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 オンライン・ゲームは,単なるゲームから新しいメディアに---。9月22日から開催している「東京ゲームショウ」では各種のパネル・ディスカッションが行われた。注目の一つが,主要オンライン・ゲームの運営会社が参加したセッション「ビジネスモデルの多様化が進むオンライン市場」だ。NHN Japan,コーエー,ガンホーのキーパーソンがオンライン・ゲームのビジネスモデルを語った。

 1人目として登壇したのが,オンライン・ゲームのポータルサイト「ハンゲーム」を運営するNHN Japanの千 良鉉(チョン・ヤンヒュン)社長。千社長が強調したのは,ハンゲームが提供するゲーム,コミュニティ・サービス,ゲームやチャットなどに自分の“分身”キャラクターを登場させる「アバター」機能,以上3サービスの連携である。

 「コンテンツを互いに乗り入れるなど連動性を高めることで,ユーザーの回遊性を高めている」(千社長)。ハンゲームの基本ビジネスモデルは,ゲーム内などで使う道具に課金する「アイテム課金」。「3サービスが連携することで,アイテムの購入機会を増やしている。こうした仕組み作りがオンラインでは大切」と千社長は語った。

 二人目の登壇者は,歴史ゲームで定評のあるコーエーの松原健二執行役員ソフトウェア事業部ソフトウェア4部長。松原部長は,9月中にプレオープンするオンライン型のアクション・ゲーム「真・三國無双 BB」のプロデューサだ。

 収益源となる同ゲームの課金方法は,月額基本料金とゲーム内の戦闘に参加するたびにポイントを支払う「戦闘参加従量課金」。「テーマパークは各アトラクションごとにチケットを買う。テーマパークのようにアトラクションを楽しんでほしいという考え方から,この課金方法にした」と,松原部長は説明した。「ゲームのスタイルにより課金方法は変わる。プレイすることでユーザーのスキルが高まり,それが楽しみの根幹を成すこのゲームに,アイテムに重点を置くアイテム課金などの仕組みは合わないと判断した」(松原部長)。

 最後の登壇者は,「ラグナロクオンライン」をはじめ7つのオンライン・ゲームを運営するガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下一喜社長。森下社長は「今後オンライン・ゲームは次世代のメディアになる」と強調した。

 「ゲームはそこで時間を過ごすだけでなく,オンラインの特性を生かしてコミュニティ・サービス,広告,コンテンツの配信,EC(電子商取引)の場などを提供する“プラットフォーム”に進化しつつある。これはメディアの一形態と言えるだろう」(森下社長)。メディア化するオンライン・ゲームにおける重要な要素として,森下社長が挙げたのは決済インフラ。森下社長は「オンライン・ゲームと相性の良いのは少額決済。少額決済を安全に実行できるインフラ作りに注力している」と語った。